日本の海運会社が運航するタンカーなど2隻が原油輸送の要衝、中東ホルムズ海峡付近のオマーン湾で攻撃された事件で、トランプ米大統領は14日、「イランがやった」と述べた。国連安全保障理事会は13日、米国の要請で緊急会合を開き、事件を非難した。一方、イラン側は「米国の根拠なき主張は認めない」と全面否定。対立している両国の緊張がさらに高まるのは必至だ。
ポンペオ米国務長官も13日の会見で、収集した情報や使用された武器などを総合的に分析した結果、「イランに攻撃の責任がある」と断言。「この地域にイランの他にこれだけ高度に洗練された攻撃を実行できる勢力はいない」とし、5月12日にホルムズ海峡付近でサウジアラビアなどの石油タンカーが攻撃された事件などにも触れて、「イランや傘下の武装勢力による米国や同盟国への一連の攻撃の最新事例」と語った。
同会見後、米中央軍はイランの最高指導者直属の精鋭部隊「イスラム革命防衛隊」の船舶が日本のタンカーに接近したとする映像を公開し、「不発だった吸着型の水雷を回収している様子」と主張した。トランプ氏は14日、米FOXニュースとのインタビューで「イランは証拠を残したくなかった」と述べ、証拠隠滅を図ったとの見方を示した。
また、ペルシャ湾を管轄する米海軍第5艦隊はミサイル駆逐艦をオマーン湾に派遣した。
これに対し、イラン側は関与を全面否定している。ザリフ外相は14日、「米国は事実に基づいた証拠なしにイランを批判している」とツイッターに投稿。イラン政府のラビイー報道官は13日、「(事件から)誰が利益を得るのか、注意して判断すべきだ。だまされてはいけない」とイランメディアに語った。
今回のタンカー攻撃は、安倍晋三首相が日本の首相として41年ぶりにイランを訪問し、米国との緊張緩和のために最高指導者ハメネイ師と初めて会談する直前に起きた。ポンペオ氏は「イランは日本のタンカーを攻撃し、船員の命を脅かすことで日本を侮辱した」と強く非難した。
トランプ大統領は13日、安倍首相がハメネイ師と会談したことについて、ツイッターの投稿で「とても感謝している」と謝意を示した。その上で「イランと取引をすることは時期尚早と感じる。彼らは準備ができていないし、我々もだ!」と強調。米国がめざす新たな核合意に向けた交渉は当面困難との認識を示した。(ワシントン=渡辺丘、テヘラン=杉崎慎弥)
https://www.asahi.com/articles/ASM6G564BM6GUHBI02M.html
2019-06-14 12:14:54Z
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