【ニューヨーク＝村山誠、橋本潤也】米ニューヨーク・マンハッタン中心部で１０日午後、高層ビルの屋上にヘリコプターが墜落し、操縦士の男性１人が死亡した。観光スポットのタイムズスクエアにもほど近いエリアでの墜落に、２００１年９月１１日の米同時テロの記憶が残る市民からは「またマンハッタンで航空テロか」との声も上がり、周辺は一時騒然となった。
警察によると、ヘリは午後１時半頃、マンハッタン東側のヘリポートから離陸し、約１０分後に墜落した。ニューヨーク郊外のニュージャージー州の空港に戻るところだったとみられ、飛行中に何らかのトラブルがあった可能性があるという。当時、現場では激しい雨が降り、雲に覆われ視界が悪い状態だった。
現場は、タイムズスクエアの北約５００メートルにある地上５０階超の高層ビルで、米メディアは墜落後、ビル屋上から煙が上がる様子を伝えた。火災は、墜落直後に駆けつけた消防によって消し止められた。現場のビル５階で働くノア・イェフェンさん（２１）は「ホースを持った消防士がビルに次々と駆け込んで来て、『早く逃げろ』と叫んでいた」と墜落直後の様子を振り返った。
現場周辺は墜落後、数十台の警察や消防の車両が集まり、物々しい雰囲気に包まれたが、マンハッタン中心部での墜落に、多くの人が「９・１１」の惨事を思い出して肝を冷やした。現場ビルの向かいで働くジョー・エンジェルさん（５０）は「ヘリがビルに墜落したと聞いて、『テロがまた起きたのではないか』と大騒ぎになった」と声を震わせた。
ニューヨーク市のデブラシオ市長は記者会見で、「まず最も重要なことを最初に伝えたい。現時点でテロとの情報はなく、市民に脅威はない」と強調した。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20190611-OYT1T50293/
2019-06-11 12:27:00Z
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