【香港=藤本欣也】中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」の改正問題をめぐり混乱が続く香港で16日、香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官の辞任などを求める大規模デモが行われた。林鄭氏は15日、改正案の立法会(議会)審議を延期すると発表したが、市民の反発は収まらず、林鄭氏の辞任を求める声が高まっている。
この日のデモは、9日のデモ(主催者発表で103万人が参加)に匹敵する規模になった。
デモ隊は16日午後、ビクトリア公園を出発、政府本部庁舎のある中心部を目指した。途中の側道からも市民が続々と合流し、あっという間に幹線道路は人で埋め尽くされた。
市民らが行進しながら要求していたのはまず、改正案の審議延期ではなく「完全な撤回」だ。
民主化運動を支援する歌手の何韻詩(デニス・ホー)さん(42)もデモに参加し、「最近の(改正反対)運動の特徴はリーダーがいないこと。みんな自発的に行動していて、とても感動している」「あくまでも改正案の撤回を求めていきたい」と語った。
また、デモ参加者が訴えていたのは「学生は暴徒ではない!」との主張だ。
一連の反対運動では、12日に学生のデモ隊と治安部隊が立法会周辺で衝突し、80人以上が負傷。中国政府と香港政府はデモを「暴動」、一部学生を「暴徒」と断定し激しく非難した。
これに対し、「ヘルメットやゴーグル、マスクしかしていない学生に、催涙弾やゴム弾を撃ったのは治安部隊の方ではないか」(24歳の女性教師)と反発する声が広がっている。
この日のデモで最も大きかったシュプレヒコールは「林鄭下台!」(林鄭氏は辞任せよ!)だった。
「中国政府のいいなり。傀儡(かいらい)政権だ」(31歳の男性会社員)。「僕たちの主張を全く聞いてくれなかった」(17歳の男子高校生)。林鄭氏が今回の改正問題で失った市民の信頼を取り戻すのは容易ではない。
https://www.sankei.com/world/news/190616/wor1906160015-n1.html
2019-06-16 12:02:00Z
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