香港で16日、刑事事件の容疑者を中国本土の司法当局に引き渡せるようにする「逃亡犯条例」改正案の撤回を求める大規模デモがあった。香港政府は15日に改正延期の方針を示したが、市民は「撤回」を強く求めており、「103万人」(主催者発表)が集まった9日のデモを上回る規模になるとみられる。
市民は今回の運動のイメージカラーとなった黒色の服を着て、立法会(議会)周辺などの幹線道路を埋め尽くした。香港史上最大級の大規模デモが再び起きたことで、審議再開は絶対に許さないという市民の強い意志を香港政府トップの林鄭月娥(りんてい・げつが)行政長官に突きつけた。
林鄭氏は16日、「社会に分断と争いを招いてしまった。市民に謝罪する」との声明を発表したが、改正案は撤回しなかった。林鄭氏はこれまで決して譲らない姿勢で知られ、2017年7月の就任以来、比較的安定した行政運営を維持、中国政府も高く評価してきた。だが今回、改正案の審議をめぐって譲歩したことで求心力が弱まり、改正案の撤回に追い込まれるシナリオも現実味を帯びてきた。政府の統制が弱体化すれば、ほかの中国政府寄りの政策に対しても市民の反発が強まる可能性がある。
林鄭氏は15日、立法会で年内に審議を再開することは難しいと述べた。香港メディアによると、来年7月までに採決できなければ改正案は廃案となる。妻と子供2人と参加した会社員、陳俊熙さん(35)は「今日のデモで参加者が少なかったら政府は審議再開を狙うに違いない。撤回まで大規模デモを繰り返し続けるべきだ」と語気を強めた。
12日に起きたデモで機動隊が若者をゴム弾や催涙弾などで攻撃し、80人以上がけがをしたことへの怒りも爆発した。家族連れや主婦らも大勢加わり、殴られて血を流す若者や、催涙弾を撃つ機動隊の写真などをプラカードに張り、林鄭氏に対して若者への謝罪と行政長官の辞任を求めた。12歳の子供と参加した主婦(40)は「機動隊は倒れた若者を繰り返し警棒で殴りつけていた。デモに参加することで私たちの怒りを政府に伝える必要がある」と話した。
台湾などでも香港市民を支援するデモが行われた。【香港・福岡静哉】
https://mainichi.jp/articles/20190616/k00/00m/030/163000c
2019-06-16 13:12:00Z
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