岩屋毅防衛相は1日、アジア安全保障会議が開かれているシンガポールで、韓国の鄭景斗(チョンギョンドゥ)国防相と非公式に会談した。日韓の防衛相会談は、昨年12月に韓国軍による海上自衛隊哨戒機へのレーダー照射問題が発生してから初めて。双方が従来の主張を繰り返し、議論は平行線をたどった。
会談で岩屋氏は、レーダー照射問題について「自衛隊機は適切な飛行をしていた」とする1月の最終見解を伝え、再発防止を要求。一方、韓国国防省の発表によると、鄭氏は「明白な事実無根だ。問題の本質は日本の哨戒機の近接威嚇飛行にある」と従来の立場を繰り返し、日本側に国際法の順守を求めた。
日韓の課題の早期解決のため、事務方の協議を後押しすることについては一致した。会談後、岩屋氏は「大事なことは、このような事案を二度と起こさないようにすること」と話した。鄭氏は記者団に「虚心坦懐(たんかい)に議論をした」とし、「両国関係が改善するよう、積極的に努力していくつもりだ」とも述べた。
両氏は31日の夕食会であいさつを交わし、会談実施に向けて調整していた。非公式会談は着席し、意見交換という形で約30分間行われた。岩屋氏は「どういう形がいいかギリギリまで調整し、公式ではない形で話すのがいいと合意した」と説明し、日韓関係のぎこちなさをうかがわせた。
会談に先立ち、鄭氏と岩屋氏がそれぞれ朝鮮半島の安全保障をテーマに演説をした。鄭氏は「進展はゆっくりでも、弾みを逃さず、対立と緊張に後戻りしないようにすべきだ」と北朝鮮への対話路線を強調。岩屋氏は「制裁決議の履行が必要だ」と訴え、両者の主張の違いが浮き彫りになる場面もあった。【シンガポール田辺佑介、ソウル渋江千春】
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2019-06-01 13:57:00Z
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