Jumat, 15 Maret 2024

世界秩序二分化目指すプーチン氏、国内は弾圧強化-大統領選再選確実 - ブルームバーグ

6年前のロシア大統領選の直前、プーチン大統領は同国最新鋭戦略兵器のシミュレーション動画を見せて議員を喜ばせた。そのうちの一つは米フロリダ州に狙いを定めてさえいた。

  今回、プーチン氏による力の誇示は勢いを増している。先月には核兵器搭載可能な最新型戦略爆撃機の試験飛行を行い、ロシア軍によるウクライナ侵攻を巡り米欧諸国に「アルマゲドン(世界最終戦争)」のリスクを単刀直入に警告した。

  こうした言動は大胆さを増したプーチン氏(71)の心情を反映している。15-17日に投票が行われるロシア大統領選は再選確実で、ウクライナでの戦争がプーチン氏に有利な方向にシフトする状況にあって国内外の敵は同氏の野心を抑えることができないように見受けられる。

ロシアに「勢いシフトしつつある」、ウクライナ侵攻-米情報機関

ロシアのプーチン大統領

  プーチン大統領の現行任期が同氏の好みに世界秩序を形作る試みだとすれば、再選後の新たな任期はこのプロジェクトを完成させる決意を意味するものだと、クレムリン(ロシア大統領府)の考えに詳しい複数の関係者が説明した。

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最新型爆撃機の試験飛行後、メディアに語るプーチン大統領(2月22日、ロシア・カザン)

Photographer: Alexander Kazakov/Pool Sputnik Kremlin/AP

  事情に詳しい関係者5人は、プーチン氏が西側との長期にわたる対決に備えているとし、ウクライナでの戦争が終了したとしても、ロシアと西側諸国との関係は断絶されており、容易に回復されることはないと話す。

  大統領府に近い政治コンサルタント、セルゲイ・マルコフ氏は「ロシアは新たな世界を築くため並行のグローバリゼーションを打ち立てる必要がある。それこそプーチン氏が重点的に取り組むものだ」と語った。

  ウクライナを支援する西側諸国は同国への弾薬供与を続けることが難しくなっており、ウクライナ政府当局者はロシア軍進展の可能性を憂慮するなど、ロシア側が数カ月ぶりに攻勢に出ている。

  ウクライナの敗北を回避するため、同国に部隊を派遣するアイデアを巡る北大西洋条約機構(NATO)加盟国間の不一致は優柔不断さの印象を強めることになった。バイデン大統領が求める600億ドル(約8兆9000億円)余りのウクライナ向け追加軍事支援は、議会共和党との対立で行き詰まったままだ。

  一方でロシア政府は、ロシア系の少数派住民保護という名目でモルドバやバルト3国、コーカサス地方などに圧力をかけている。西側諸国の首脳は、ロシアがNATO加盟国を攻撃する可能性について公に警戒感を示すとともに、トランプ前米大統領が11月の大統領選でホワイトハウス返り咲きを果たした場合に同盟国を見捨てるかどうか懸念している。

  プーチン氏はこのほか、新興国を中心とするいわゆる「グローバルサウス」の間でも、西側諸国に対する挑戦を続けて国際的な対ロシア制裁を弱めるための地歩を固めつつある。ロシアが穀物を供与したアフリカ6カ国の一部は国連でロシアの外交政策を支持するなどしている。

  ロシアは今年、新興国から成るBRICSの議長国を務め、10月には中国やインド、南アフリカ共和国、ブラジルの既存メンバーに加え、イランやエジプトなど新規加盟国が参加するサミット(首脳会議)を開催する。

  事情に詳しい複数の関係者によれば、プーチン氏は国際関係をロシアに有利な方向につくり直す機会と捉えており、それを実際に生かす意向だ。

ナワリヌイ氏

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ロシアの反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏の墓地を訪れた人々(3月3日、モスクワ)

Photographer: Olga Malsteva/AFP/Getty Images

  国内でプーチン氏に反対する勢力はますます無力化の様相を呈している。過去の大統領選の場合と異なり、クレムリンは今回、象徴的な意味での独立系候補者であっても出馬を認めていない。

  反体制派指導者アレクセイ・ナワリヌイ氏が北極圏に位置する辺地の刑務所内で死亡したことで、最も強力な抵抗のシンボルもいなくなった。ナワリヌイ氏の葬儀には、当局が武装警官を配置するなど脅しをかけたが、数年人が参列。ただ、国営メディアや高官らは葬儀があったことさえ認めなかった。

  旧ソ連のスターリン時代以来の長期政権となっているプーチン氏はこの数年、反体制派に対する弾圧を進めており、2022年2月にウクライナ侵攻を命じて以降は取り締まりを強化している。

  戦時下のロシアは完全な忠誠を求める独裁国家となるリスクがある。こうした状況でクレムリンにとって最大の頭痛の種は、ロシア国民の間に政治的無関心が広がる状況で、高い得票でプーチン氏が圧倒的勝利を収めた体裁を整え、西側との対決姿勢でロシアが団結しているとのクレムリンの主張を裏付けられるようにすることだ。

  ナワリヌイ氏の妻ユリア・ナワリナヤ氏は2月28日に欧州議会で演説し、ウクライナでの戦争開始から2年が経過し、「多大なる疲弊や流血、失望があり、プーチン氏はまだいる」とし、「兵器や資金、制裁などあらゆるものが活用されたが、どれも作用していない。そして、誰もが戦争慣れするという最悪の事態が生じている」と語った。

原題:Putin Digs In to Divide World Order While He Conquers at Home(抜粋)

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2024-03-15 04:20:24Z
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