中国政府は北京で5日開幕した全国人民代表大会(全人代、国会に相当)で、今年の国内総生産(GDP)成長率目標を5%前後に定めたと発表し、不動産不況とデフレ定着で悪化している景況感を回復させるため、指導部が追加的な刺激策を打ち出すとの期待を高めた。
李強首相は自身初の政府活動報告で、世界2位の経済大国が直面する課題を認めた上で、「目標実現は容易ではない。政策支援とあらゆる方面からの力を合わせた取り組みが必要だ」と述べた。
5%前後という成長率目標は23年と同じだが、同年は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)期との比較で対象となる基準が低かったため、今年の成長目標達成は難しいと想定される。
ブルームバーグ調査では27人のエコノミストのほぼ全員が、中国政府が昨年と同様の成長目標を発表すると予想。別の調査では、24年の経済成長率は4.6%程度になる可能性が高いとの見方が示された。
習近平国家主席は、長引く不動産危機と米国との地政学的対立といった逆風に苦しむ中国経済への信頼を回復しよう取り組んでいるが、外国企業の中国離れが進んでおり、投資家はより強力な対策を求めている。
米国防総省の高官だったシンガポールのリー・クアンユー公共政策大学院のドルー・トンプソン上級研究員は「自信を誇示し、経済の下降スパイラルを減速させるため、中国政府は市場の低迷時でも現状維持のGDP目標を設定した」と述べ、「消費者中心の大規模な刺激策や市場の自由化政策がなければ、中国の外国企業は引き続き困難に見舞われるだろう」との見方を示した。
中国は、今年1兆元(約20兆9000億円)の超長期特別国債を発行する計画も明らかにした。こうした国債発行はまれで、活動報告によれば、重要な国家戦略を支えるため今後数年間、計画されている。
政府はまた、今年の失業率を5.5%程度とし、1200万人以上の都市部雇用を増やすことを目標としている。24年の財政赤字目標は対GDP比3%と設定。23年は途中で3.8%に引き上げられていた。
ジョーンズ・ラング・ラサールの龐溟チーフエコノミスト(大中華圏担当)は財政赤字目標について、当局が「成長とリスク防止のバランスをとっている」ことを示していると指摘し、「財政赤字の大部分は引き続き中央政府が負担するが、中央政府は地方政府に移転する支出を増やし、地方債務リスクの予防と解消に努めるだろう」と語った。
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原題:China Sets Ambitious Growth Goal in Push to Boost Confidence (1) (抜粋)
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2024-03-05 03:13:09Z
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