2023年03月24日23時30分
【パリ時事】フランス大統領府(エリゼ宮)は24日、チャールズ英国王による26~29日の仏公式訪問について、延期が決まったと発表した。デモやストが仏全土で相次いでいることを踏まえた措置で、マクロン政権の年金改革に反発する混乱は外交にも影響を与え始めた。
エリザベス女王の死去に伴う昨秋の即位後、初めての外遊となるはずだったが、チャールズ国王が24日午前(日本時間同日午後)、マクロン仏大統領と電話で協議した。その上で、英仏両政府が先送りを決定した。
エリゼ宮は「英仏の友好関係にふさわしい環境」が整い次第、速やかに国王を迎えたいと強調している。マクロン氏は24日の記者会見で「デモの最中の訪問を提案するのは良識を欠く」と指摘。訪仏は初夏が適切だと説明した。
チャールズ国王はカミラ王妃との仏滞在中、パリの凱旋(がいせん)門での式典やパリ郊外にあるベルサイユ宮殿での夕食会に出席したり、仏南西部ボルドーを訪問したりする予定だった。
しかし、年金改革に反対する抗議行動の過激化で、23日にはボルドー市役所庁舎が放火され、全国で警官約440人が負傷。公式訪問予定だった28日にも大規模なデモが計画され、警備上の懸念が強まった。
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