武器をもたないウクライナ兵の捕虜がロシア兵に殺害されたとみられる動画が出回り、ウクライナ当局が捜査を開始した。
ウクライナのウォロディミル・ゼレンスキー大統領は6日夜、「私たちは殺人者を見つけ出す」と述べた。
動画では、ウクライナ兵が塹壕(ざんごう)の中でたばこを吸っている。「ウクライナに栄光あれ!」と言った後、自動小銃で撃たれる様子が映っている。捕虜が射殺された後、ロシア兵と思われる撃ち手の1人が「死ね」と言い、罵声を浴びせている。
ウクライナ軍の部隊の1つが、射殺された兵士は同部隊の所属だとしている。ただ、身元については食い違う情報も出ている。
殺害に及んだ人物(複数の可能性もある)は動画に映っておらず、特定もされていない。
この動画は6日にソーシャルメディアで出回り始めた。いつどこで作成されたのか、兵士はどのように捕らえられたのかについて、BBCは検証できていない。
ロシアは、この件について公にコメントしていない。
ウクライナ側は激しく非難
ウクライナ軍の参謀本部は、「非武装の捕虜の射殺は、国際人道法の規範と戦争の慣習を全く無視している。ろくでなしの殺人者の行為であり、戦士の行為ではない」と非難。
「ロシアの占領者たちは、ウクライナ人を残忍に絶滅させることが、ウクライナでの大きな目標だと改めて示した」とした。
ゼレンスキー大統領は、「勇敢にも『ウクライナに栄光あれ!』と面と向かって言った戦士」を「占領者」が殺害したとビデオ演説で主張。
「私たち全員が結束し、彼の言葉に一緒に応えようではないか。『英雄に栄光あれ! 英雄たちに栄光あれ! ウクライナに栄光あれ!』」と訴えた。この言葉は戦場での兵士たちのかけ声として、数百万人のウクライナ人に知られるようになっている。
ドミトロ・クレバ外相もツイッターで、今回の動画は「この戦争が集団虐殺であることの新たな証拠」だと説明。国際刑事裁判所(ICC)による「即時調査」を求めた。
アンドリー・コスチン検事総長は、すでに刑事捜査を開始したと述べた。
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兵士の身元
ウクライナ軍は7日、初期段階の情報をもとに、射殺された兵士をティモフィー・シャドゥラ氏だとした。
所属先の第30機械化旅団は同氏について、激しい戦闘が続いている東部バフムート付近で先月3日に最後に目撃されたと明らかにした。ただ、遺体が戻らない限り、身元確認はできないとした。
シャドゥラ氏の姉妹のオリア氏は、動画の中の兵士について、名前が明らかにされる前に自分の家族だと気づいたという。
しかし、ウクライナの著名ジャーナリストが動画の兵士について別人の名前を挙げるなど、身元については疑問が生じている。
シャドゥラ氏のきょうだいはその後、報道が食い違っているため、親族を代表してお金を受け取ることはしていないとBBCに話した。
戦争犯罪の疑惑
ウクライナと西側の同盟国は、ロシア軍がウクライナ侵攻で、拷問や強姦、捕虜殺害など多くの戦争犯罪を犯していると非難している。ロシアはこの疑惑を否定している。
昨年7月には、ウクライナ東部のロシア占領下のドンバス地方で、捕虜となったウクライナ兵が去勢される様子を撮影した動画が出回った。
ウクライナ当局者は、降伏はロシア軍の「演技」で、ウクライナ兵を攻撃しようとしていたと述べた。
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2023-03-08 07:50:50Z
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