【ブリュッセル=畠山朋子】新型コロナウイルスワクチンの特許権など知的財産権保護の一時停止を求めるとした米国の方針を巡り、フランスのマクロン大統領は7日、「アングロサクソンが多くのワクチンや原料を封じ込めている。問題の本質は知的財産権ではない」と批判した。ワクチンや原料の輸出を制限する米英をけん制する狙いとみられる。
8日まで欧州連合(EU)首脳会議が開かれたポルトガル北部ポルトで記者団に語った。EUの執行機関である欧州委員会のウルズラ・フォンデアライエン委員長も8日、「自国内で多くのワクチンを製造する国々はワクチンを世界と共有すべきだ」と述べた。
EU域内では複数の製薬会社がワクチンを生産し、1月末以降、約1億8000万回分のワクチンを輸出している。一方、米国は原料の輸出制限措置をとり、英国で生産されたワクチンは、ほぼ輸出されていない。
特許権の一時停止は途上国などが供給増を求め主張している。EUではフランスが特許権保護の一時停止自体には賛成の立場で、ドイツは反対する。EUは今回の首脳会議で対応を協議したが、声明発表などはなく、見解の統一には至らなかったとみられる。
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2021-05-08 12:14:00Z
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