【バンコク=津田知子】国軍がクーデターを強行したミャンマーで、新型コロナウイルスの感染実態が判然としない状況が続いている。発表される新規感染者数は1~2桁台で、国軍側は抑え込みの成功を強調するが、検査や治療が十分に行われていないとの指摘もある。国際機関は、孤立状態での感染爆発の危険性を警告している。
18日付国営紙は、1日あたりの新規感染者数を32人と報じた。17日付では6人だった。国軍側は先月、「前年に比べて状況が改善している」と強調した。
中国から無償提供されたワクチン50万回分は今月到着したとされ、国営紙や国営テレビは連日、感染対策の徹底を訴えるとともに、国軍支配下にある施設などで高齢者にワクチンを接種する様子を報じている。
世界保健機関(WHO)によると、ミャンマーでは昨年11月16日に1日の感染者数が2260人とピークを迎え、その後は減少傾向に転じた。クーデターが起きた今年2月1日以降は、国軍側の発表で数十人程度となり、感染者数ゼロの日も出るようになった。
実際にミャンマーでの感染が抑え込まれているかどうかは不透明だ。理由の一つとして、検査数が激減しているとの見方がある。
クーデター以前の1日あたりの検査数は約2万件だったが、クーデター後は減少し、2月22日の発表では686件に落ち込んだ。その後は1000件台で推移したが、国軍統治下にある保健・スポーツ省は最近、検査数を公表しなくなった。
検査の減少は、国軍に反発して仕事をボイコットする「不服従運動」に多くの医療従事者が参加していることが影響しているとみられる。
本紙通信員によると、最大都市ヤンゴンの市場では大半の市民がマスクを着けていない状況だ。在タイのミャンマー情報筋は「確認されない感染者がたくさんいる可能性がある」とみる。ミャンマーは、感染爆発が起きているインドや感染者急増中のタイと国境を接しており、「ミャンマーだけ感染が劇的に少ないことはありえない」(外交筋)との見方も出ている。
国際赤十字・赤新月社連盟は4月、クーデター後のミャンマーに関し、「検査や治療の能力が著しく低下している」とした上で、「人道危機に新たな感染の波が重なり、最悪の事態に直面する可能性がある」と指摘した。
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2021-05-18 20:00:00Z
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