【ワシントン=中村亮】サキ米大統領報道官は28日の声明で、これまで免除していたベラルーシ国営企業9社に対する制裁を6月3日に発動すると発表した。ベラルーシ当局が民間機を強制着陸させたとして対抗措置を講じる。欧州連合（EU）と連携し、ベラルーシ政権高官にも制裁を科す構えも見せた。
サキ氏はベラルーシ当局による強制着陸や反体制派メディア創設者の拘束について「国際規範に対する直接的な侮辱だ」と改めて非難した。ベラルーシのルカシェンコ政権が民主主義や人権の擁護を求める国民を弾圧しているとして対抗措置を講じると強調した。ベラルーシ当局は強制着陸を否定している。
バイデン政権はEUとともに人権侵害や腐敗行為、強制着陸などに関わったルカシェンコ政権高官のリストをつくって、制裁を科していくと説明した。米財務省はベラルーシ制裁を強化する権限をバイデン大統領に付与する大統領令を作成している。ルカシェンコ政権に対し、強制着陸をめぐる国際調査を受け入れ、政治的理由で拘束した人物を即座に解放するよう求めた。
制裁により、ベラルーシ国営9社は米国との取引などが制限される。EUは24日の首脳会議でベラルーシ航空機によるEU領空の飛行や域内での離着陸を禁じる制裁措置に合意した。米欧関係を重視するバイデン氏もEUに続き、制裁を科していく考えだ。
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2021-05-29 02:27:48Z
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