地鳴りのような音が夜の闇に響く。鼓膜を震わせるドドーンという衝撃音を耳にするたび、頭上に岩石が落ちたような錯覚に陥る。私が取材を続けているのはパレスチナ自治区ガザ地区ガザ市。ここを実効支配するイスラム組織ハマスの幹部らに対し、イスラエル軍が連日の空爆を続けている。「また始まったか」。市民はその音を聞き、今日も眠れぬ夜が来ることを覚悟する。空爆下のガザで今、何が起きているのか。【ガザ市(パレスチナ自治区ガザ地区)三木幸治】
封鎖された検問所
「ハマスがロケット弾をエルサレムに放った。大変なことになる」。ガザ市にいる私のもとに、毎日新聞エルサレム支局の助手からメッセージが入ったのは5月10日午後6時ごろ。いやな予感が的中した。4月以降、イスラエルではユダヤ人とパレスチナ人の衝突が激しくなっており、ガザも緊迫していたのだ。
イスラエルとパレスチナの対立が続く中、1993年の「オスロ合意」を経て、ガザ地区とヨルダン川西岸ではパレスチナ自治政府の統治が始まった。その後、西岸は穏健派組織のファタハが統治しているが、ガザでは武装闘争をいとわないハマスが2007年に支配を確立。これに対し、ハマスをテロ組織とみなすイスラエルはガザとの境界を封鎖して経済的圧力をかけ始めた。このため、今もガザには食料や燃料など最低限の物資しか搬入されず、住民は許可がない限り域外に出られない。面積約360平方キロと東京23区の約6割しかないガザ地区が「天井のない監獄」と呼ばれるゆえんだ。
イスラエルへの反発を強めるハマスは、エルサレムなどで衝突が起きるたびにロケット弾をイスラエル側に発射し、威嚇してきた。こうした状況の中、私はガザ地区の新型コロナウイルス対策などの取材で9日に現地入りした。
この時点で検問所は開いていた。だが10日夜にハマスのロケット弾攻撃に報復する形でイスラエル軍の本格的な空爆が始まり、検問所は封鎖されてしまった。
眠れぬ夜が始まった。…
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2021-05-20 02:00:00Z
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