2023年04月23日16時12分
【カイロ、ワシントン時事】米政府は22日、正規軍と準軍事組織「即応支援部隊(RSF)」の衝突が続くスーダンから米大使館員と家族ら100人弱が退避したと発表した。米軍のヘリコプターで脱出した。スーダンでは72時間の「停戦」中も交戦が続いており、空港も利用できない状況とされる。日本など各国が準備を進める自国民の避難の見通しは依然不透明だ。
バイデン米大統領はツイッターで「私の命令により、米軍が政府関係者を救出する作戦を実施した」と表明。米政府高官によると、現地時間23日に米軍の特殊部隊100人程度を投入し、周辺国ジブチへの脱出作戦を行った。米政府はこれに伴い、スーダンでの大使館業務を停止した。
ただ、空港が利用できないほか、出国のための陸路も閉ざされているとして、駐留米国人の退避活動のめどは立っていない。米大使館員らの退避について、RSFは「米軍と調整した上で実施された」とツイッターに投稿したが、米政府は「事実ではない」と否定した。
スーダン軍トップのブルハン統治評議会議長は22日、中東のテレビ局アルアラビーヤに、首都ハルツームと西部ダルフール以外では軍が空港を掌握していると主張。ハルツームの国際空港はRSFの管理下にあるとみられる。
フランス外務省と国防省も23日の声明で、スーダン国内の仏外交官および仏国民の緊急退避作戦を実施すると発表した。欧州各国や同盟国の国民・外交官も作戦の対象に含まれるとしている。
米大使館員らの脱出に先立ち、サウジアラビア外務省も22日、外交官ら157人がスーダンからサウジ西部ジッダに到着したと明らかにした。サウジ人91人に加え、アラブ首長国連邦(UAE)やインド、カナダなど計12カ国の66人が脱出したという。日本人は含まれていない。
サウジのメディアによると、157人はハルツームから直線で約670キロの距離にある紅海に面した東部ポートスーダンに陸路で移動し、対岸のジッダへ渡った。渡海にはサウジ海軍の艦艇が用いられた。ヨルダン外務省も、同国人約300人の退避を開始したと明かした。
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2023-04-23 07:12:00Z
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