【イスタンブール=木寺もも子、ロンドン=坂口幸裕】バイデン米大統領は9日、トルコのエルドアン大統領と電話協議し、スウェーデンの北大西洋条約機構(NATO)加盟が早期に実現することを希望すると伝えた。両首脳は11〜12日にリトアニアで開かれるNATO首脳会議の場で直接会談することで合意した。トルコが加盟を認めるかどうかに影響を与えそうだ。
トルコは敵対する非合法武装組織、クルド労働者党(PKK)などがスウェーデンを拠点に活動しているとして、同国のNATO加盟承認を保留している。米国はスウェーデンの加盟を後押しする立場だ。
トルコ側の声明によると、エルドアン氏はスウェーデンがトルコの要求に応じて対テロ法を改正するなどの措置を取ったことを評価。一方で法改正後もPKK支持者らがスウェーデンでデモ活動を続けているとして、「対策を無にしている」と不満を表明した。
エルドアン氏は、トルコが米国に求めている新型のF16戦闘機の売却をバイデン氏が支持していることに謝意を述べた。米議会ではトルコの人権状況などを懸念し、売却に後ろ向きな声が強い。両国はいずれもF16の売却とスウェーデンのNATO加盟は無関係としているが、事実上の交換条件の一つになっているとみられる。
バイデン氏との電話協議で、エルドアン氏は停滞しているトルコの欧州連合(EU)加盟交渉を進めたい考えも表明した。NATO首脳会議の場でEUの主要加盟国がトルコのEU加盟に支持を表明することに期待した。
米ホワイトハウスのサリバン大統領補佐官(国家安全保障担当)は9日、バイデン氏がエルドアン氏にF16をトルコに供与する意向を改めて伝えたと明らかにした。ロンドンに向かう大統領専用機で記者団に語った。
両首脳の電話協議は45分間におよんだ。バイデン氏はエルドアン氏にF16の売却とスウェーデンのNATO加盟が双方の利益になると強調した。
サリバン氏はスウェーデンのNATO加盟について「同盟に加わると確信している。これはタイミングの問題だ。早ければ早いほどいい」と述べた。NATO首脳会議のタイミングで決まるかどうかは明言を避けた。
エルドアン氏は10日、NATO首脳会議に先立ってスウェーデンのクリステション首相と会談する予定で、同国のNATO加盟を巡る関係国の交渉が大詰めを迎えている。
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2023-07-09 20:29:05Z
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