イスラエル軍は4日、パレスチナ武装勢力との間で戦闘を続けていたパレスチナ自治区ヨルダン川西岸ジェニンの難民キャンプから撤退を開始した。関係筋が明らかにした。
2日間にわたった軍事作戦では、パレスチナ人12人とイスラエル兵1人が死亡した。
撤退の一報が流れた4日夜にも、ジェニンのキャンプでは銃声や爆発音が響いた。
イスラエル軍はその後、ガザ地区のパレスチナ武装勢力がイスラエル南部に向けて発射したロケット弾5発を撃墜したと発表した。
この攻撃に関わったと主張している組織はない。
イスラエル軍がジェニンから撤退する中、パレスチナの保健当局は、この日にパレスチナ人1人が死亡したと発表した。これで3日以降のパレスチナ側の犠牲者は12人となった。
一方イスラエル軍は、作戦に関わった下士官1人が、4日夜に難民キャンプで実弾に当たり死亡したと発表した。
この日の午前には、ガザ地区を支配している「ハマス」が、イスラエルで発生した車による襲撃と刺傷事件について、ジェニンでの作戦を受けたものだったと述べた。
イスラエル当局によると、テル・アヴィヴの繁華街で起きたこの事件では、7人が負傷した。犯人はヨルダン川西岸地区出身のパレスチナ人男性で、民間人によって射殺されたという。
イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相は、「このような攻撃によって、テロとの闘いの継続が抑止されると考えるのは間違いだ」と述べた。
また、イスラエル軍がジェニンでの「作戦を完了」したことを認めた。ただし、これは「一度きりの行動」ではないと警告した。
パレスチナの指導者らは、イスラエルが「侵攻」に等しいことを行っていると批判した。
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イスラエル軍は3日未明、ドローン攻撃でジェニン難民キャンプでの作戦を開始。パレスチナの武装組織「ジェニン大隊」の共同司令本部を標的にしたと説明している。ジェニン大隊には、ヨルダン川西岸を支配する「ファタハ」や、ガザ地区を支配する「ハマス」、武装組織「イスラム聖戦(PIJ)」などが加わっている。
その後、数百人のイスラエル兵がジェニン地区に侵入し、武装したパレスチナ人と激しい銃撃戦を行った。その間も、イスラエル軍はドローン攻撃を続けた。
イスラエル軍は、この「対テロ作戦」は武器の押収と、「キャンプが安全な隠れ場だという考え方を壊す」のが目的だと述べた。
国連人権高等弁務官事務所の報道官は4日、ジュネーヴでの記者会見で、「ジェニンで行われている空爆と地上作戦、そしてヨルダン川西岸で今日も続いている空爆の規模、特に人口密度の高い難民キャンプへの空爆を懸念している」と述べた。
また、パレスチナ保健省が3人の子ども(17歳の少年2人と16歳の少年1人)の死亡を確認したと述べた。さらに、インフラが損壊したため、キャンプのほとんどで飲料水も電気も供給されていないと警告した。
世界保健機関(WHO)は、パレスチナの救急隊員がキャンプの一部への立ち入りを妨害され、重症患者のいる場所にも入れなかったと報告した。パレスチナ保健省は、140人以上のパレスチナ人が負傷し、うち30人が重体だとしている。
パレスチナ赤新月社(赤十字に相当)の職員は、病人や高齢者を含むパレスチナ人3000人が、夜のうちにドローン攻撃と銃撃戦から逃げることができたと語った。
家族と共に難民キャンプから逃れてきた車いすに乗った男性は、BBCの取材に対し、イスラエル兵によって一室に閉じ込められていたと明かした。
「軍のバリケードに囲まれていた。イスラエル兵らがやってきた。そして今、出てきたところだ。キャンプには誰もいない。私たちだけだった」
「とても厳しい状況だ。ドローンから私たちに向かって撃ってきた。やっと抜け出してきたところで、とても疲れている。食べ物も飲み物もない」
ジェニン中心部のある病院の外では、パレスチナ人がイスラエル軍の車両に石を投げて抗議していた。イスラエル軍はすぐに催涙ガスで対応した。
「国境なき医師団」は、イスラエル軍のブルドーザーが多くの道路を破壊し、舗装路を剥がしたため、救急隊員は徒歩での搬送を余儀なくされていると訴えた。
イスラエルのダニエル・ハガリ海軍少将は4日夜、米CNNの取材に対し、この作戦で非戦闘員の死者は出なかったと話した。
また、救急車は自由にキャンプ内を走ることができたと述べ、「我々は負傷者を避難させる救急車を支援している」と話した。
ブルドーザーについては、武装組織が道路に爆発物を隠しており、民間人やイスラエル兵を危険にさらしていたため、キャンプ内の道を約2キロにわたって掘り返したと説明した。
ジェニンは、パレスチナ武装勢力の若い世代の拠点となっている。そうした世代は、パレスチナ自治政府の指導者の高齢化と、イスラエルによる占領地での規制に、根深い不満を抱えている。
ジェニン出身のパレスチナ人がイスラエル人を攻撃・殺害していることから、イスラエル軍は過去1年にわたり、この街を繰り返し襲撃している。この地域に隠れているパレスチナ人戦闘員もいる。
パレスチナのモハメド・シュタイエ首相は、イスラエルに自衛の権利があるとする外国政府の見解に反発している。
シュタイエ首相はツイッターで、「イスラエルは我々の土地と国民を占領している国として、国際的に認められている」、「キャンプのインフラや施設、住居を破壊し、罪のない人々を殺害し、逮捕し、追放するために武力を行使したことを非難されるべきだ」と述べた。
「自衛権を持っているのはパレスチナ人だ。占領国にはそのような権利はない」
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2023-07-05 02:26:32Z
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