ロシアの民間軍事会社ワグネルの武装蜂起から23日で1カ月となる。ワグネルの部隊の一部は隣国ベラルーシに移って活動を継続し、ウクライナ侵攻への再参戦も示唆する。ロシアはワグネルの反乱に同調した軍幹部らの処分を進めているとみられ、国内の混乱の幕引きを狙う。
プーチン政権はワグネル戦闘員にロシア国防省と契約するよう迫り、ワグネルの実質的な解体を進めている。通信アプリ「テレグラム」のワグネル系のチャンネルは19日、およそ2万5000人の戦闘員のうち1万人がベラルーシに向かったと伝えた。
ベラルーシ国防省は20日、ウクライナとポーランド両国の国境に接する西部ブレスト州でベラルーシ軍の特殊作戦部隊とワグネル戦闘員が共同訓練を実施すると発表した。ベラルーシはロシア側の東部でも共同訓練を進めており、ワグネル戦闘員を受け入れてウクライナににらみを利かせる狙いとみられる。
ワグネル創設者のエフゲニー・プリゴジン氏もベラルーシの部隊に合流したもようだ。19日には同氏とみられる人物がワグネルの戦闘員に「しばらくベラルーシに滞在する」と語りかける動画が投稿された。「(ベラルーシ軍を)世界第2位の軍隊にする」と主張し、同国で準備を整えた後に「おそらく(ウクライナの)特別軍事作戦に戻るだろう」と述べた。
英秘密情報部(MI6)のムーア長官は19日、プーチン大統領がワグネルの反乱直後に自らの保身のためプリゴジン氏と取引したとの見方を示した。「プリゴジン氏は生存しており、各地を移動している」と語った。
ロシア紙コメルサントによると、プーチン氏は6月29日に首都モスクワでプリゴジン氏らワグネル幹部と面会し、ワグネルの創設にも関与したロシア軍幹部のアンドレイ・トロシェフ氏を新トップに就任させることを提案した。ロシアに残った戦闘員は正規軍に編入されるとみられる。
プーチン政権は反乱後の火消しに躍起になっている。ウクライナ軍事侵攻で副司令官を務めるセルゲイ・スロビキン氏はワグネルの反乱後の消息が依然として分かっていない。同氏はプリゴジン氏と近く、事前にワグネルの反乱計画を知っていたとされる。逮捕されモスクワの拘置所にいるとの観測も出ている。
ロシアのグルリョフ下院議員はウクライナ南部のザポロジエ方面を担当していたイワン・ポポフ少将が前線の被害実態を上層部に報告したところ「わずか1日」で解任されたと通信アプリに投稿した。米戦争研究所はゲラシモフ参謀総長がポポフ氏を解任した可能性があると分析した。
武装蜂起したワグネルの部隊は首都モスクワの南方200キロメートルまで迫り、ロシアの治安体制の危うさも浮き彫りになった。ロシア議会は国家親衛隊に重火器の装備を可能にする法案の審議を進める。親衛隊が武装組織を重火器で制圧できるようにする内容で、治安維持の強化を図るとみられる。
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2023-07-22 07:36:26Z
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