中国で「G4」と名付けられた新型の豚インフルエンザが確認されました。専門家によれば、G4は遺伝的には2009年に流行した豚インフルエンザH1N1亜型に由来するものだとのこと。すでに豚からヒトへの感染は確認されていて、新たなパンデミックが起きる可能性が指摘されています。
Prevalent Eurasian avian-like H1N1 swine influenza virus with 2009 pandemic viral genes facilitating human infection | PNAS
https://www.pnas.org/content/early/2020/06/23/1921186117
A New Swine Flu Strain With 'Pandemic Potential' Has Been Identified in China
https://www.sciencealert.com/researchers-identify-a-new-swine-flu-that-has-pandemic-potential
「G4」と名付けられた新型豚インフルエンザ株を発見したのは、中国疾病対策予防センターと、日本の農林水産省に相当する中華人民共和国農業農村部などの研究チーム。チームは2011年から2018年にかけて中国の10つの省にある食肉処理施設と、動物病院1カ所から3万本を超えるサンプルを採取し、179個の豚インフルエンザを分離。これらの豚インフルエンザについて分析を行いました。
分析の結果、発見された豚インフルエンザの大半が2016年以降に豚の間で流行している新型豚インフルエンザ「G4」だと判明。インフルエンザに対して人間に近しい反応を示すフェレットを使った実験を行ったところ、G4は感染力に優れ、ヒト細胞内で複製し、フェレットでは他のウイルスよりも深刻な症状を引き起こすことが確認されたとのこと。さらに、季節性インフルエンザに感染することで得られる免疫ではG4を防げないことも判明しました。
この新型豚インフルエンザの暴露によって生成される抗体の有無で感染歴を判定する血液検査を行ったところ、養豚関係者の10.4%、一般市民の4.4%が感染歴があることがわかりました。この結果から、研究チームは「豚からヒトへは感染することが明らか」と結論付けていますが、「『ヒトからヒトへの感染』が起こっているかどうかはまだわからない」としています。
研究チームは、養豚関係者を監視する緊急対策を実施するべきと主張しています。
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2020-07-01 01:30:00Z
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