【テヘラン=岐部秀光】イラン原子力庁のカマルバンディ報道官は8日、イラン国営メディアのインタビューで、ウラン濃縮度が2015年の核合意で定めた上限(3.67%)を超え、4.5%程度になったと明らかにした。核合意の義務停止の第3弾として、ウラン濃縮度の20%までの引き上げや遠心分離機の稼働数の増加が選択肢になるとも述べた。
イランは欧州など他の合意当事国との協議に進展がなければ、60日後に第3弾となる追加措置を取るとしている。
遠心分離機の稼働や濃縮度の20%までの引き上げは、これまでの小さな合意逸脱と異なり、核兵器取得までの時間(ブレークアウトタイム)に影響をおよぼしかねない重大な規定違反になる。核合意は完全崩壊の瀬戸際に追い込まれる。
核合意はイランに対する国際制裁を解除する見返りとして、ウラン濃縮度や遠心分離機の稼働数の制限などを求めた。イランが核武装を宣言しても、核爆弾を製造するまでの期間が1年以上となるよう設計されている。
トランプ米政権は18年に核合意から一方的に離脱し、制裁を復活させた。イランは不満を持ち、関係国に揺さぶりをかける目的で義務の停止を広げている。7月1日には第1弾として低濃縮ウランの貯蔵量が規定の300キログラムを超えたと発表した。7日には第2弾としてウラン濃縮度を核合意の制限を超える水準に引き上げる作業に着手したと公表していた。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO47094300Y9A700C1MM8000/
2019-07-08 09:56:00Z
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