Sabtu, 09 Oktober 2021

ノーベル平和賞は「特定の国への批判ではない」…委員長「表現の自由巡る評価は今回が初」 - 読売新聞オンライン

 【オスロ=緒方賢一】ノルウェーのノーベル賞委員会のベリット・ライスアンデシェン委員長は8日、本紙のインタビューに応じ、平和賞の選考について「平和とは何かを議論し、平和の実現に最も貢献した個人や団体に与えている」と述べ、特定の国を批判するものではないと説明した。

 今年の平和賞には強権的な政権と闘い表現と報道の自由を追求するフィリピンのマリア・レッサ氏と、ロシアのドミトリー・ムラトフ氏の2人のジャーナリストが選ばれた。委員長は「ジャーナリストへの授賞は過去にもあったが、表現の自由を評価したのは今回が初めて」と述べた。

 両氏について「制限された環境の中で、メディアを通じ真実を伝えることがいかに難しいかを示した」と評価した。「今回の授賞を通じ、言論の自由を無視することはできないと権威主義的な社会が認識するようになると信じている」とも強調した。

 平和賞の選考に関して、委員長は「平和について特定の定義があるわけではない」と説明した。「平和」の意味する範囲が時代とともに広がっているとの見方も示し、「これまで気候変動や社会的正義、人権活動、軍縮など平和につながる様々な分野の貢献に賞を授与してきた」と述べた。

 平和賞には120年の歴史があり、第1回は1901年に遡る。委員長は「当時は今日のようなメディアの存在を想像できなかったでしょう」とし、「私たちの時代における平和について考えを示すことが委員会の役目」だと指摘した。

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2021-10-09 11:52:00Z
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