ジョー・バイデン米大統領は21日、台湾が中国から攻撃された場合は、アメリカが台湾を防衛すると発言した。ホワイトハウス報道官は後に、アメリカの中台政策に変更はないと説明したものの、アメリカが台湾への防衛義務を認めることは、アメリカが中台関係について長く維持してきた「戦略的あいまいさ」方針からの離脱を意味する。
アメリカは1979年の台湾関係法で、台湾防衛のため武器を提供し、台湾住民の安全のため適切な行動を取らなければならないと定めているものの、防衛義務は明記されていない。「戦略的あいまいさ」政策で、もし中国が実際に台湾を攻撃した場合、どう対応するかは意図的に明示してこなかった。
質問に対してバイデン氏は、「イエスとイエスだ」と答えた。さらに、「中国とロシアをはじめ世界中が、アメリカ軍こそ世界で史上最強の軍隊だと承知している」ため、中国が軍事力で優位になるかどうか「心配する必要はない」と述べた。
司会者のアンダーソン・クーパー氏が重ねて、もし中国が台湾を攻撃したらアメリカが守るのかと尋ねると、バイデン氏は「ええ、そう約束している」と答えた。
これについてホワイトハウス報道官は後に、米メディアに対して、アメリカは「政策変更を発表したわけではないし、政策に変更はない」とい説明した。
バイデン大統領は今年8月にも、米ABCニュースに対して、台湾防衛について同様の姿勢を示した。その時もホワイトハウスは、アメリカの台湾政策に変更はないと説明していた。
「中国の主権、領土の一体性など他の核心的な国益について、中国が何かしら譲歩したり交換条件を受け入れるなど、誰も期待してはならない」と述べた。
「我々はアメリカに対して『ひとつの中国』原則と3つの中・米共同コミュニケの内容を誠実に守り、台湾問題に関する言動は慎重に行い、『台湾独立』分離派へ誤った合図を送ったりしないよう呼びかける」
また、アメリカの「誤った合図」次第では、「米中関係と台湾海峡の平和と安定が深刻に悪化」しかねないとも話した。
一方、台湾総統府の張惇涵報道官は、台湾は圧力に屈しないし、支援を受けても「無謀に前進」したりしないと述べ、「台湾は自衛のため断固たる決意を示す」と話した。
さらに、バイデン政権は台湾を「揺るぎなく」支持し続けているとも述べた。
<解説> スティーヴン・マクドネル中国特派員
台湾統治権をめぐり戦争の話題が最近しきりに飛び交っているが、念頭におくべきことがいくつかある。
中国政府が台湾を武力で奪還しようとすれば、それは間違いなくひどい流血を伴う、厳しい取り組みになる。
だからといって決して起こらない、あり得ないというわけではないが、台湾侵攻を命じる中国のリーダーは、漢民族と漢民族の戦いを容認することになる。その場合、殺傷力の高い最新ハイテク兵器を使った、イデオロギー対立において、漢民族同士が血を流すことになる。
そうした紛争に備えて中国政府は、台湾分離派への批判プロパガンダを十分振りまき、国民をしっかり覚悟させてきたと考えるかもしれないが、それではだめだ。
中国国営メディア「環球時報」が戦争をしきりにあおり、いかに素晴らしい戦いになるか吹聴したところで、それではだめだ。中国人にとって遠い親類の敵兵たちが台湾の墾丁ビーチに遺体となって並ぶ光景を、国民の目から覆い隠すことはそうはできないはずだ。
そしていざ中国が台湾を制圧した後は、住民2400万人の大半が中国共産党支配に反対する領土を、統治し続けるのはかなり大変な作業になる。
こうした結果が、台湾侵攻を命じる中国の指導者の責任になる。加えて、周辺地域の深刻な不安定化も、同じ指導者の責任になる。米軍だけでなくオーストラリアや、場合によっては日本からも、部隊が集結する可能性さえある。
習近平国家主席は明らかに、自分が国を率いる間に、台湾再統一を実現したいと願っているようだ。しかし、こうした様々な要素を足し合わせると、いかに高いリスクを伴うことかはっきりする。
一部の中国メディアは日に日に激しさを増す好戦的なレトリックを振りまいているが、中国政府にはもっと冷静な人たちがいて、ただちに攻撃を開始するとは考えていないと思いたい。
しかし、中国の軍事力拡大と共に、状況の計算は数年のうちにそっくり変わる可能性もある。
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2021-10-23 03:33:17Z
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