Minggu, 16 Mei 2021

イスラエル首相「ガザ空爆継続」 米仲介効果乏しく(写真=ロイター) - 日本経済新聞

16日、ガザでは空爆で破壊された建物跡で生存者を捜す救助活動が行われた=ロイター

【カイロ=久門武史、ワシントン=中村亮】イスラエルのネタニヤフ首相は15日、パレスチナ自治区ガザへの空爆継続を宣言した。同日にはAP通信などが入るビルを破壊、16日も空爆を続けた。バイデン米大統領はイスラエル、パレスチナ首脳と相次ぎ電話協議し、緊張緩和を求めたが衝突に歯止めをかけられずにいる。

「市民の安全を取り戻すまで全力で対処する」。ネタニヤフ氏は15日の演説で、自衛権を主張しガザへの空爆を正当化した。イスラエル軍は16日、ガザを実効支配するイスラム原理主義組織ハマス幹部の自宅を破壊した。ハマスは16日もイスラエルの商都テルアビブにロケット弾を発射した。

AP通信によると、16日だけで新たに少なくとも33人がイスラエル軍の空爆で死亡し、ガザでの死者は188人になった。

バイデン氏は15日、ネタニヤフ氏、パレスチナ自治政府のアッバス議長と相次いで電話した。ネタニヤフ氏にはイスラエルの自衛権に「強い支持」を改めて強調し、ハマスのロケット弾攻撃を非難した。

イスラエル軍は15日のガザ空爆でAP通信などの支局が入居するビルを破壊した。AP通信などは破壊予告を受けて人員を退避させたが、プルイット最高経営責任者(CEO)は「信じられないほど不穏な動きだ」とイスラエルを非難した。バイデン氏もジャーナリストの安全への懸念をネタニヤフ氏に伝えた。

バイデン氏はアッバス氏に対しては、ハマスによるロケット弾攻撃を停止すべきだと訴えた。ただパレスチナはヨルダン川西岸を統治する自治政府の主流派ファタハと、ガザのハマスに分裂している。

米国はハマスをテロ組織と認定し、対話の相手とみなしていない。パレスチナ自治政府も米国も、強硬姿勢のハマスを直接動かす手段は持ち合わせていないのが実情だ。

1987年創設のハマスはエジプトのイスラム組織「ムスリム同胞団」を母体とし、2007年にガザを武力制圧した。イスラエルと敵対するイランの支援で兵器の能力を向上させているとされる。

10日に始まった今回の交戦で2千発以上のロケット弾をイスラエルに発射した。大量を一斉に発射する飽和攻撃のため、イスラエル軍の対空防衛システム「アイアンドーム」でも迎撃しきれていない。

イスラエル軍は地上部隊のガザ侵攻も視野に入れており、緊迫した情勢が続いている。地上侵攻となれば14年以来7年ぶり。このときは2千人以上の死者が出た。双方にパイプを持つエジプトや、ハマスに影響力を持つカタールが仲介に動いているが、進展は伝えられていない。

米欧のメディアによると、ニューヨーク、ロンドン、パリなど北米や欧州の主要都市で15日、イスラエル軍による攻撃の中止を求めるパレスチナ支持のデモが実施された。

国連安全保障理事会は16日に公開の緊急会合を開き、ガザ情勢を協議した。

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2021-05-16 10:31:20Z
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