【ワシントン=中村亮】トランプ米大統領がシリア侵攻を開始したトルコのエルドアン大統領に対し「強がるな。バカなことはするな!」と自制を求める親書を送っていたことが16日、明らかになった。トランプ氏は先にシリアから米軍を撤退させると表明し、トルコに侵攻のきっかけを与えたとの批判を受ける。親書公表はこうした批判をかわす狙いとみられる。
米メディアによると、親書はトルコがシリア北部で軍事作戦を始めた9日付。「良い取引をしよう!」とエルドアン氏に停戦交渉を呼びかける文で始め、トルコが敵対するクルド人主体の武装勢力の司令官がトランプ氏にあてた書簡を「内緒で同封する」と記した。
トランプ氏は「あなたは何千人も殺害することの責任を負いたくないだろうし、私はトルコ経済を破壊する責任を負いたくない」と記し、トルコが軍事作戦をやめなければ制裁を科さざるをえないと強調した。良い結果とならなければ「あなたは歴史上、永久に悪魔とみなされる」と警告し、「あとで電話する」と締めくくった。
口語体の文章は外国首脳への親書としては異例で、トランプ氏の直筆であることを示す。トルコのシリア侵攻を巡る米議会などからの批判をかわすはずが、外交儀礼を欠いた親書の内容が逆に波紋を呼んでいる。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO51084170X11C19A0FF2000/
2019-10-17 07:29:26Z
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