Senin, 07 Oktober 2019

ノーベル医学生理学賞は米英の3氏 低酸素状態への適応 - 朝日新聞

 スウェーデンのカロリンスカ医科大は7日、今年のノーベル医学生理学賞をウィリアム・ケーリン氏(61)ら米英の3人に贈ると発表した。業績は「細胞が低酸素を検知し応答する仕組みの発見」。貧血や心血管疾患、がんなど多くの病気に関わり、治療法の開発にもつながった。

 受賞者は他に、米国のグレッグ・セメンザ氏(63)、英国のピーター・ラトクリフ氏(65)。授賞式は、12月10日にストックホルムである。賞金900万スウェーデンクローナ(約1億円)は3人で分ける。

 人間などは低酸素の状態になると「エリスロポエチン」というホルモンが増えて赤血球が多く作られ、酸素を確保することが知られていたが、詳しい仕組みは分かっていなかった。

 セメンザ氏は1990年代、細胞の酸素が不足すると、エリスロポエチンを増やすために情報を伝えるたんぱく質「低酸素誘導因子(HIF)」を発見。ケーリン氏とラトクリフ氏は、酸素濃度に応じて、HIFを調節するたんぱく質を発見した。

 3氏の発見は、治療薬の開発にもつながっている。エリスロポエチンが作られにくくなり、重い貧血を引き起こす慢性腎臓病の患者向けに、赤血球を増やして血液が酸素を運ぶ能力を高める薬が、国内で9月に承認された。(月舘彩子)

ウィリアム・ケーリン氏

 1957年、米国生まれ。医学博士。腫瘍(しゅよう)内科医として訓練を受けた後、2002年からハーバード大医学部教授

グレッグ・セメンザ氏

 1956年、米国生まれ。ペンシルベニア大で医学博士号取得後、小児科医として訓練を受けた。99年からジョンズ・ホプキンス大教授

ピーター・ラトクリフ氏

1954年、英国生まれ。ケンブリッジ大で医学博士号。腎臓内科医の経験を持つ。オックスフォード大教授、フランシス・クリック研究所臨床研究ディレクター

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https://www.asahi.com/articles/ASMB76H5YMB7ULBJ016.html

2019-10-07 11:16:47Z
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