2019年10月20日13時33分
【ロンドン時事】英国の欧州連合(EU)離脱が再び迷走を始めた。英議会は19日、離脱期限の来年1月末までの延期要請を求める内容の動議を可決。ジョンソン首相がEUとまとめた合意案の採決は見送られた。10月末の離脱期限まで2週間を切っているが、離脱はまたも遠のいた。
アルゼンチンとのフォークランド紛争さなかの1982年以来、37年ぶりに開かれた異例の土曜日の議会。首相は下院投票での敗北後、「英国にとっても欧州全体にとっても、10月末にこの合意案とともに離脱することが最善だ」と強弁したが、議場にむなしく響くばかりだった。
就任から90日弱。首相は10月末に何があろうと離脱すると主張し、大方の予想に反してEUとの再交渉で新合意案にこぎつけた。しかし、下院で過半数を確保できず、離脱に失敗したメイ前首相と同じ轍(てつ)を踏む可能性もある。
ロンドン中心部では、離脱の是非を問い直す2度目の国民投票実施を求める抗議デモが行われ、約100万人(主催者発表)が参加した。議会前広場では参加者らが「首相は合意案を自賛するのなら、国民投票にかけるべきだ」と声を上げ、離脱阻止を訴えた。
混迷する議会。離脱と残留に分断されたままの世論。ロイター通信によると、隣国フランスのマクロン大統領は「これ以上の離脱延期は誰の利益にもならない」と、いら立ちを隠さなかった。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2019102000140&g=int
2019-10-20 04:33:00Z
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