【ワシントン=海谷道隆】米国のトランプ大統領は9日、トルコがシリア北部で始めた軍事作戦に関する声明を出し、「攻撃を支持していない。トルコに『作戦は悪い考えだ』とはっきり伝えている」と強調した。ただ、トランプ氏はシリア北部から米軍を撤収させ、作戦に関与させない方針を明確にしている。トルコをどこまで抑えられるか、具体策が問われる。
トランプ氏は声明で「トルコは人道的危機を起こさないと約束してきた。今後も守らせる」と主張したが、具体的な対応については「状況を注視していく」とするにとどめた。
トランプ氏は9日、ホワイトハウスで記者団に、トルコがクルド人勢力の掃討に乗り出した場合には「トルコ経済を壊滅させる」と述べ、トルコに一方的な攻撃は控えるよう警告した。同時に「(トルコとクルド人勢力は)何世紀も戦ってきた。クルド人勢力は自らの領土を得るために戦っている」と指摘し、米軍が関与すべきでないとの持論も繰り返した。
トランプ政権は、6日の声明ではトルコの作戦について「支持も関与もしない」として、シリア北部の米軍は別の地域に移動させた。だが、イスラム過激派組織「イスラム国」の掃討作戦で米軍と連携したクルド人勢力を見捨てる行為として米議会が猛反発している。
https://www.yomiuri.co.jp/world/20191010-OYT1T50190/
2019-10-10 06:29:00Z
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