中国が掲げる巨大経済圏構想「一帯一路」に関する国際会議が、25日から27日まで北京で開かれる。同構想は対象国を「債務の罠(わな)」に陥れるなどとして批判を浴びており、中国は懸念払拭に力を入れそうだ。
会議にはロシアのプーチン大統領、パキスタンのカーン首相など、世界の指導者37人が出席。ロイターが確認した共同声明草案によると、参加国は世界的な債務目標と環境保護を尊重する形のプロジェクトファイナンスで合意する見通しだ。
2013年に導入された一帯一路は、関連プロジェクトの大半が今も継続中だが、マレーシアやモルディブの政権交代で変更を迫られた案件があるほか、パキスタンの発電所やシエラレオネの空港建設は金銭的な理由で棚上げされた。
構想には中国が覇権を広げるための手段であり、投資対象国に重債務を負わせるなどの批判がつきまとっている。
中国政府を後ろ盾とする上海社会科学院の一帯一路研究センター幹部、リー・リファン氏は、構想は「合理化と評価」の段階にあると説明。国際会議は「これまでを振り返り、将来の希望について話し合う時」になるだろうと語った。
業界関係者や外交筋によると、2年前に初めてこの会議が開かれて以来、中国政府のアピールの仕方は変化した。
西側の外交官によると、構想の政治的な部分を取り扱う当局は、国家発展改革委員会から外務省に移った。変化が起こったのは昨年だという。
他のアナリストらによると、昨年後半に中国の海外戦略が顕著に変化。少なくとも10カ国で、中国の大使や外交官が地元メディア向けに構想を擁護する書簡を公表するという、異例の動きが見られた。
ワシントンのコンサルタント会社RWRアドバイザリーのアンドルー・ダベンポート最高執行責任者は、中国が批判に敏感になったと指摘。「ここ数カ月間、一帯一路に関する中国政府の表現ぶりが、批判に反論し、押し返すよう意図されているのはかなり明らかだ」と話した。
会議の外国首脳出席者数は2017年の29人から増える予定だが、前回に比べて会議前の盛り上がりは欠いている。
政府は前回、開催日を約1カ月前に公表し、国営メディアは開会に先駆けて音楽や動画を放送した。しかし今回、政府が日程を確認したのは開催まで1週間を切った19日になってからで、メディアの大騒ぎも見られない。
[北京 24日 ロイター]
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2019-04-25 04:30:00Z
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