テロ対策や気候変動対策、制度改革などさまざまな課題に取り組みましたが、痛みを伴う改革は強い反発にもあいました。
最大の危機とも言われたのが、2018年11月に始まった抗議デモです。
発端はマクロン政権が気候変動対策の一環として導入を目指した燃料税の引き上げでした。
参加者が作業用の黄色い蛍光色のベストを身につけたことから「黄色いベスト運動」と呼ばれ、多いときには全国で数十万人が参加しました。
日々の暮らしや仕事に車が欠かせない地方の住民から反対の声が広がり、SNSを通じて全国的な抗議行動に発展しました。
パリをはじめ各地でデモ隊が警察と衝突したり、暴徒化した参加者が商店や駐車中の車に火をつけるなど混乱が起き、デパートや美術館が閉鎖を迫られるなど経済的にも大きな影響が出ました。
政権は燃料税の引き上げを断念するとともに、デモの最大の要因だった地方の不満に耳を傾けるとして、マクロン大統領本人や政権幹部が各地に出向き人々と対話を重ねました。
さらに財政再建のために進めていた年金制度改革をめぐっても、強い反発が起きました。
受給額が減る可能性があるとして、公共交通機関の労働組合が大規模なストライキに突入し、列車や地下鉄、バスの運行本数が極端に減り、通勤通学に大きな影響が出たほか観光客も減少しました。
こうした混乱が続く中、2020年に入るとヨーロッパでも新型コロナウイルスの感染が拡大します。
マクロン大統領は厳しい外出制限や一部を除く店舗の営業を禁止し、企業活動は大幅に制限されました。
一方で経済や雇用への影響を最小限にとどめようと、休業を余儀なくされる飲食店や商店の従業員の賃金を政府が補償するといった対策をやつぎばやに打ち出します。
さらに感染状況が落ち着き店舗が営業を再開すると、経済と感染対策を両立させるためレストランなどでワクチンの接種証明の提示を義務づけ、接種を強く促しました。
一部では「事実上のワクチン接種の義務化だ」という強い反発も招きましたが、経済と感染対策を両立するためだとして推し進めました。
一方、対外関係では「EU=ヨーロッパ連合を強化することがフランスを強くする」として、アメリカに追随するのではなく中国とも独自の関係を築くなど、国際社会で確固たる存在感を示すEUを目指すとしてきました。
ロシアとの関係ではウクライナ情勢をめぐる緊張が高まる中、プーチン大統領やゼレンスキー大統領、アメリカのバイデン大統領など、各国首脳との会談を重ね、積極的な仲介外交を展開。
軍事侵攻が始まった後も、EUの議長国として制裁強化の議論を主導しながらプーチン大統領との対話を続け、外交的な解決の道を探っています。
マクロン大統領の支持率をみますと、「黄色いベスト運動」や年金制度の改革をめぐるストライキの際には大きく落ち込みましたが、サルコジ元大統領やオランド前大統領の同じ時期を上回る水準で推移しています。
内政、外交で数々の試練に直面してきたマクロン大統領。
ウクライナへの軍事侵攻が続きヨーロッパも戦争の危機にさらされる異例の状況で行われる選挙で、フランスの有権者はマクロン大統領の5年間の実績に審判を下すことになります。
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2022-04-23 20:16:39Z
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