【ロンドン=佐竹実】中国の放送当局は、英BBCのワールドニュースの放送を禁止した。BBCは、中国の新疆ウイグル自治区に関する報道などを巡って中国政府から批判を受けていた。英当局は4日に中国国際テレビ(CGTN)の放送免許を取り消しており、対立は深まっている。
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ラーブ英外相は11日、「中国本土でBBCワールドニュースを禁止する決定は、報道の自由を奪うもので受け入れられない」と批判した。「中国はメディアとインターネットの自由に世界でも最も厳しい部類の規制をかけている。(BBCの規制は)国際的な中国の評判を傷つけるだけだ」とも指摘した。BBCは同日、「中国当局がこのような行動を取ると決めたことは残念だ」とコメントした。
BBCはウイグル族の「再教育施設」に関して、人権弾圧や集団性的暴行があったなどと報じ、中国側が反発していた。英報道によると、中国の放送当局はBBCの放送禁止を決めたことについて、「報道が真実で公平でなくてはならないという要件を満たしておらず、中国の国益と民族の団結を損なう」と説明した。
英国は20年に中国が香港国家安全維持法を制定したことなどをきっかけに対中姿勢を厳しくしている。同法に反発し、中国への返還前に生まれた香港市民向けに英国の市民権を取りやすくする特別ビザ(査証)を発給することを決めた。4日には、英メディア規制当局がCGTNの放送免許を取り消した。中国共産党が番組の最終的な編集権を握っており、英国の法律の規定に反するとしていた。
安全保障の面でも中国への警戒を強める。20年7月、中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)を高速通信規格「5G」から排除することを決めた。海洋進出する中国を念頭に、空母「クイーン・エリザベス」を今春以降にアジアに派遣する。英国は中国主導のアジアインフラ投資銀行(AIIB)に先進7か国(G7)で真っ先に参加を決めるなどかつては蜜月関係を築いたが潮目は変わり、両者の溝は深まる一方だ。
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2021-02-11 19:29:37Z
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