【カイロ＝酒井圭吾、テヘラン＝水野翔太】イラク北部クルド自治区アルビルで１５日夜、複数のロケット弾攻撃があり、駐留米軍施設の請負業者１人が死亡し、米兵１人を含む６人が負傷した。ブリンケン米国務長官は攻撃を非難した。イラクでは近年、親イラン勢力による米施設への攻撃が相次いでおり、イランをにらんだバイデン米政権の対応が注目される。
クルド自治政府によると、ロケット弾は国際空港周辺や市外に着弾した。米兵らは空港に隣接する施設で被害にあったとみられる。イラクには米兵約２５００人が駐留している。
バイデン政権発足後、イラクの米軍施設への大規模攻撃は今回が初めてだ。ブリンケン氏は１５日の声明で今回の攻撃に「激怒している」と述べた。ブリンケン氏は１５日、自治政府首相と電話会談し、事件の調査に全面協力する考えを示した。
イラクでは２０１９年以降、米大使館や米軍施設を狙った攻撃が多発する。トランプ米前政権は親イラン・イスラム教シーア派民兵組織の犯行と批判した。昨年１月には米軍が民兵組織幹部とイラン革命防衛隊の司令官を殺害し、イランとの軍事衝突の瀬戸際に立った。
今回の攻撃について、イラン外務省報道官は１６日の声明で「イランを攻撃に結びつける動きを強く非難する」と述べ、自国の関与を否定した。
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2021-02-16 12:47:20Z
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