【カイロ=佐藤貴生】バイデン米政権はイラクで相次いだ駐留米軍施設への攻撃を受け、親イラン系イスラム教シーア派武装勢力の施設を空爆した。米・イラン間では2015年の核合意をめぐって対話の兆しが出ており、イランとしては連携する武装勢力と米国が攻撃の応酬に陥る事態は避けたいと考えている可能性もある。イラクの親イラン武装勢力が米国の施設への攻撃を継続するか否かが米・イランの今後の関係を左右するカギとなってきた。
空爆の標的になったのはイラク国境に近いシリア東部の施設。イラクで活動するシーア派民兵組織カタイブ・ヒズボラなどが利用していたとされる。
シリアのアサド政権は26日、「卑劣な攻撃」だと空爆を非難。同政権の外相はイランのザリフ外相と電話会談し、今後の協力態勢について協議した。アサド政権を支援するロシア外務省の報道官も空爆を「強く非難する」と述べた。
空爆はイラクで今月相次いだ駐留米軍施設に対する攻撃への対抗措置だ。イラク北部では15日、ロケット弾攻撃で同施設の請負業者1人が死亡、米兵らが負傷したほか、22日にも首都バグダッドの在イラク米国大使館が攻撃された。
ただ、米政権当局者は、バイデン大統領は多数の選択肢から最も限定的な方法を選んだと述べるなど、核合意をめぐるイランとの対話機運への配慮をにおわせている。エジプト・カイロ大のタレク?ファハミ教授は「イランは核合意をめぐる交渉に積極的に関与せよ、という米側のメッセージだ」と分析した。
しかし、イランに近いイラク国内のシーア派民兵組織が駐留米軍などへの攻撃を停止するかは見通せない。イラクのカディミ首相は米国との関係改善を視野に国内の民兵組織の封じ込めを試みているが、民兵組織の武力攻撃を封じ込めうるほどの影響力は持てずにいるとみられる。民兵組織が攻撃を継続すれば、米・イランの対話機運がしぼみかねない。
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2021-02-27 08:12:00Z
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