【ワシントン=中村亮】13日にトランプ前米大統領の無罪評決を下した議会上院の弾劾裁判は異例ずくめのスピード結審となった。実質的な裁判期間はわずか5日間にとどまり、13日には証人招致をいったん決めたが直後に覆した。
【関連記事】
弾劾裁判の実質的な審理は9日に始まった。9日は退任後の大統領の弾劾裁判を開く合憲性について議論し、10~11日に検察官役の下院民主党、12日にトランプ氏弁護団がそれぞれ冒頭陳述を行った。トランプ氏の弁護団は16時間を割り当てられた冒頭陳述をわずか約3時間で終え、12日中に陪審員役の上院議員による質疑応答も終了。13日に最終評決を下した。
今回の裁判は異例のスピード評決といえる。トランプ氏の「ウクライナ疑惑」をめぐる2020年1~2月の弾劾裁判は民主党と弁護団の冒頭陳述に6日間を要し、最終評決まで3週間かかった。クリントン元大統領をめぐる弾劾裁判では不倫関係にあったホワイトハウス実習生らの非公開証言を行い、その後に上院議員が罷免の有無を精査する時間を設けて裁判は約5週間にわたった。
民主党もスピード結審を望んだ公算が大きい。検察官役のラスキン下院議員は13日、証人に共和党のボイトラー下院議員の招致を主張。上院は証人を招致する決議を賛成多数で可決した。ボイトラー氏によると、共和党下院トップのマッカーシー院内総務が占拠事件当日の6日、電話でトランプ氏に対して支持者の解散を訴えるよう要求したが、トランプ氏は応諾しなかった。事実であればトランプ氏が暴力を容認したとも受け取れる。
上院はラスキン氏の要求を受けて、裁判を中断し証人招致をめぐる与野党協議に入った。約2時間後に明らかになった与野党合意ではボイトラー氏の証言を裁判の証拠として認定する半面、一転して招致は見送った。民主党がトランプ氏の有罪評決にこだわるのであれば、ボイトラー氏に加えてマッカーシー氏にも証言を求める選択肢があったが断念した。証人を招致すると結審までさらに数週間かかる可能性があり、民主党上院指導部はバイデン政権が重視する政策推進に支障が出ると判断したとみられる。
「もしドナルド・トランプ氏が公職に立候補するとすれば、米国民が明白に拒否すると望み、祈り、信じている」。民主党上院トップのシューマー院内総務は13日の演説で、トランプ氏の大統領再選を拒むよう米国民に促した。弾劾裁判ではトランプ氏の公職資格を剝奪する可能性があった。シューマー氏の発言にはバイデン氏の政権運営との両立が求められた弾劾裁判が中途半端に終わったことへの無念さもにじんだ。
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiPGh0dHBzOi8vd3d3Lm5pa2tlaS5jb20vYXJ0aWNsZS9ER1haUU9HTjEzMDM2MFQxMEMyMUEyMDAwMDAwL9IBAA?oc=5
2021-02-14 00:01:23Z
52783051462055
Tidak ada komentar:
Posting Komentar