【ワシントン=永沢毅】米連邦議会占拠事件を巡るトランプ前大統領の弾劾裁判は12日、トランプ氏の弁護団の冒頭陳述と上院議員の質疑応答を終えた。13日中にも最終評決を下す見通し。共和党議員に造反の動きは広がっておらず、有罪に必要な出席議員の3分の2の賛成確保は厳しく、無罪となる公算が大きい。
「政治的な復讐(ふくしゅう)で、明白に違憲だ」。トランプ氏の弁護団は12日、弾劾裁判を指弾した。両陣営は主に①トランプ氏の言動が占拠につながったか②退任後の大統領を裁判にかける合憲性――を巡って主張を繰り広げた。双方の溝は埋まらなかった。
民主党は支持者に「死に物狂いで戦え」などと促したトランプ氏の演説を扇動の根拠としたが、トランプ氏の弁護団は民主党議員も同じ言い回しをこれまで演説で多用してきたと映像を交えて指摘。「トランプ氏の発言は政治的なレトリックだ」と反論した。
弁護団はトランプ氏が演説で「この場にいる誰もが平和裏に、愛国心をもって議会に向かうだろう」とも呼びかけていたとも主張。言論の自由などを保障する合衆国憲法修正第1条に照らしてもトランプ氏の演説は問題なかったと訴えた。
弾劾裁判の合憲性でも両陣営は対立した。退任した大統領を裁くのは史上初で、トランプ氏の弁護団は違憲だと訴えた。民主党は「弁護団の主張通りなら、任期の最終盤に弾劾に値する罪を犯しても憲法上は免責されてしまう」と主張した。
弾劾裁判の合憲性をめぐる9日の採決では賛成56、反対44で「合憲」との判断を示したが、共和党は所属議員50人のうち44人が反対に回った。
民主党は議事堂の監視カメラやSNSがとらえた占拠事件の様子を映像にまとめ、冒頭陳述に活用した。
議会警察が暴徒に暴力を振るわれたり、ペンス前副大統領らが慌ただしく避難したりする場面を紹介。「トランプ氏が(次の大統領選に)出馬して再び敗れれば、同じことを引き起こしかねない」と有罪への賛同を呼びかけた。
トランプ氏の弁護団は2日間で最大16時間割り当てられていた冒頭陳述を12日の3時間だけで済ませた。両陣営は証人を招致する計画を持ち合わせていない。このため、裁判は13日中にも最終弁論を経て結審する可能性がある。
共和党の大半は弾劾裁判が違憲だとの見解を示す。造反規模は有罪評決に必要な17人には届かない公算が大きい。バイデン大統領は記者団に「共和党の友人たちが立ち上がることを強く願うのみだ」と期待を示した。
トランプ氏が無罪となった場合、民主党には上院で同氏への非難決議を採択する案も浮上する。憲法は大統領や連邦議員の「無法な行為を罰する」ことができると定める。非難決議は選択肢の一つだが、法的効力があるわけではない。将来の公職就任の資格を剝奪することもできない。
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiPGh0dHBzOi8vd3d3Lm5pa2tlaS5jb20vYXJ0aWNsZS9ER1haUU9HTjEzMVZQMFQxMEMyMUEyMDAwMDAwL9IBAA?oc=5
2021-02-13 11:00:00Z
52783051462055
Tidak ada komentar:
Posting Komentar