【シンガポール=森浩、ニューヨーク=平田雄介】ミャンマー国軍がクーデターで実権を握ってから、1日で2カ月となった。国軍は抗議デモ弾圧とともに、クーデターに反発する少数民族武装勢力への攻撃を強化した。武装勢力側が反転攻勢に出る可能性があり、平和的な抗議を続けてきたデモ隊にも“武力闘争”を求める声が上がる中、内戦化する懸念も出てきた。 国連安全保障理事会は3月31日、ミャンマー情勢を議論する緊急会合を非公開で開催。国連のブルゲナー事務総長特使(ミャンマー担当)は、国軍と武装勢力の対立を念頭に「内戦の可能性がかつてない規模で高まっている」と警告した。 国軍の弾圧による市民の犠牲者は同日時点で536人に上る。国軍は3月27日以降、南東部カイン州の武装勢力「カレン民族同盟」(KNU)の拠点を断続的に空爆し、近隣住民約1万人が避難した。他地域でも武装勢力への攻撃を強めている。 KNUは過去に国軍と衝突を繰り返し、クーデターによる政権奪取を批判。アウン・サン・スー・チー氏率いる国民民主連盟(NLD)関係者を域内で保護している。西部ラカイン州を拠点とする武装勢力「アラカン軍」などの3勢力も共同声明で、国軍が弾圧を続けるならば「市民とともに立ち上がる」と警告した。 NLD議員らが事実上の臨時政府として組織した「ミャンマー連邦議会代表委員会」(CRPH)も国軍への圧力を高めるため、武装勢力に接近を図っている。31日には「連邦民主憲章」を発表。連邦制導入を前面に打ち出し、少数民族の自治権拡大を求める武装勢力に秋波を送った。 ミャンマー情勢に詳しい東京外大の篠田英朗教授(国際政治学)は「CRPHも少数民族側との合流が事態打開の数少ない方法と分かっている。今後は国内の連携と海外の圧力で、国軍内の結束を崩せるかが注目される」と話している。 一方で、一部の都市部の若者の間には、KNUなど武装勢力支配域で軍事訓練を受ける動きも出てきた。国軍は武装勢力がデモ隊に武器を提供することを警戒しており、さらに弾圧を強める可能性がある。 ミャンマー(ビルマ)は1948年の独立以来、最大のビルマ族と少数民族の戦闘が絶えず、「世界で最も長く続く民族紛争」とも呼ばれる。それだけに事態が一段と泥沼化する恐れは拭えない。
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2021-04-01 18:03:56Z
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