【ワシントン=中村亮】バイデン米大統領は15日の演説で「ロシアが我々の民主主義への介入を続けるのであれば追加の対抗措置の用意がある」と述べた。ロシアがサイバー攻撃や選挙介入を停止しない場合に追加制裁を科す考えを示すものだ。今年夏に欧州で首脳会談を開く案を調整していると説明し、対話に意欲も示した。
バイデン氏はホワイトハウスで行った演説でロシア政策の基本方針に関し「協力できる分野であればそうする。ロシアが我々の利益を損ねるのであれば我々は対抗するということだ」と述べた。米政権は15日、ロシア政府が米政府機関へのサイバー攻撃や2020年11月の大統領選での工作活動に関わったとして新たな制裁措置を発表した。米金融機関によるロシア債券の取引制限を拡大し、駐米外交官10人に国外退去を命じた。
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バイデン氏は「今こそ緊張を緩和するときだ」と訴えた。「安定的で予見可能な米ロ関係」を目指すと指摘。今夏に米ロ首脳会談が実現すれば、核軍縮などの安全保障問題を幅広く議論する「戦略的安定に関する対話」を始められるとの見通しも示した。米ロは2月、核軍縮の枠組みである新戦略兵器削減条約(新START)の5年間延長で合意している。
バイデン氏は3月、ロシアのプーチン大統領に関し「人殺しだ」との認識を示してロシアが猛反発した。トランプ前大統領についてロシアに弱腰だと批判してきた経緯もあり、制裁措置を相次いで発動して米ロ対立が強まっている。
ロシアは「非友好的」と批判 中銀は市場注視
【モスクワ=石川陽平】米国が発表した新たな対ロシア制裁について、ロシアでは15日、反発する声が広がった。リャプコフ外務次官は15日、米国のサリバン駐ロ大使を外務省に呼び、速やかに対抗措置をとると通告した。プーチン政権内で影響力のあるウォロジン下院議長は「非友好的だ」と批判した。
米国による新たな対ロ制裁は、バイデン米大統領が13日にロシアのプーチン大統領に対して、第三国で数カ月以内に首脳会談を開くことを提案した直後だけに、ロシア国内では反発が強まっている。
リャプコフ外務次官はサリバン米大使に対して「米国側から実務的な関係を整える意志が表明されたにもかかわらず、新たな厳しい打撃が与えられた」と批判した。プーチン政権は首脳会談開催の提案を受け入れる方向で検討していたが、影響が懸念されている。
今回の対ロ追加制裁では、ロシア財務省や中央銀行の新発債券の購入を米金融機関に禁じる措置が盛り込まれた。ロシア中銀は15日、「金融市場の動向を注視している」と発表し、市場の安定を保つための手段を取る用意があると強調した。金融市場は今回の制裁を織り込み済みだったとみられ、15日夕の時点では債券と株式、通貨のいずれも取引に大きな混乱は起きていない。
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2021-04-15 21:39:27Z
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