All Nippon NewsNetwork(ANN)
“ウィズコロナ”に舵を切り、規制の段階的緩和に踏み切って2週間余りが経過した韓国で、感染者の増加が止まりません。 18日は、韓国では大学入試の日。“超学歴社会”といわれるこの国において、学生たちの人生を左右する一大事です。パンデミックが始まって以来、2回目となる大学入試の日。去年と同様、校門前での応援合戦は自粛です。 この日にむけて血のにじむような努力をしてきた学生たち。そこに追い打ちをかけているのが、過去最悪となっている今の感染状況です。 先月の終わりごろから増加していた感染者数に歯止めがきかず、2日続けて3000人超え。18日の3292人は過去最多です。ただ、いま問題となっているのは、感染者数ではありません。 韓国政府は、ICUの使用率が75%に達する事態を段階的な制限緩の一時停止を行う“非常計画”を発動するかどうか、検討する基準の一つにしています。 すでに、首都圏では、基準に達している地域があります。 さらに、全国の重症者数は、政府が医療体制を維持できるラインと定めた500人を上回っています。ワクチンの効果で減っていたはずの死者数も急増し、今年1月、最もひどかった時の水準に迫るほどです。 政府は「感染者数の増加は織り込み済み」として、様子を見ている段階でしたが、そうも言っていられない状況になっているのです。 韓国のワクチン接種率はもうすぐ8割に迫ろうしている勢いです。同じようにウィズコロナに突き進む他の国々より高い接種率にもかかわらず、重症者が増えているのはなぜなのでしょうか。 韓国感染症学の権威として知られる金(キム)教授はこう分析しています。 高麗大学(感染内科)・金宇柱教授:「いま韓国では重症や死亡の80%以上が60歳以上の人たち。また、60歳以上の陽性者の80%はブレークスルー感染。60歳以上の新規感染者の80~85%は接種完了している。この人たちから新規感染者が大勢出ていて、重症と死亡につながっている」 政府側も、“ブレークスルー感染”が、現在の感染状況につながっているという見解です。現状打破のため、韓国政府が表明した対策は、ブースター接種の前倒しです。これまで接種完了から半年後に3回目としていた60歳以上については、2カ月前倒し、最短で4カ月後に受けられるようにし、50代も1カ月前倒しされました。 ただ、金教授は、こんな対策を提言しています。 高麗大学(感染内科)・金宇柱教授:「短期間で打開するためにはソーシャルディスタンスを強化して、新規陽性者と重症患者と死亡者を減らす措置が必要だと思う。ウィズコロナを始めたとしても、もっと国民に十分に警戒心を知らせた後に緩和すべきと、警戒心を知らせた後に緩和すべきだった。 私は『ウィズコロナ』という用語には反対。『コロナウイルスと友に生きていく』というのは論理的に合わないから。コロナは人に感染させ、伝播させて宿主として病気を起こすものなのに。コロナウイルと一緒に共生共存するなんて、体内に入ってきたコロナウイルスがじっとしているか。炎症を起こさずに。毒だと思っていたコロナウイルスを友人にすると。これは人間の一方的な求愛であり、希望であって、コロナウイルスが人間と平和に暮らすと宣言したことはない」 ◆テレビ朝日・ソウル支局の井上敦支局長に聞きます。 (Q.なぜ、感染が再拡大しているのでしょうか) 『発射台が高い』『急激な緩和』『気温低下』が3つのポイントです。韓国の第4波の最中です。感染者を1000人未満に抑え込むことができませんでした。今月から緩和するとき、感染者は2000人前後を行ったり来たりする状況でした。だから、3000人はすぐ超えてしまいました。そして、緩和が急でした。政府は“「段階的日常回復”という言葉を使い、3段階に分けて規制を緩和していくとしていましたが、まだ1段階目ですが、飲食店は24時間営業が可能になりました。また、会食は10人までOKとなりました。飲み会をすることに制約がなくなり、人々が活発に行動するようになったのが、もう一つの要因です。そして、寒さです。規制の緩和は11月から始まったのですが、タイミング悪く、今月から気温が下がってきました。2カ月も早く初雪を観測しました。寒い日が増えるにしたがって室内活動が増えて、換気が難しくなったことなどが、感染拡大の理由として挙げられると思います。 (Q.政府は、規制の緩和を見直すつもりはないのでしょうか) 政府は、今年の前半から、『ワクチンの接種が8割の人が完了すれば、元の生活を取り戻せる。だから皆さんに行きわたるまでは、この厳しい規制に付き合ってほしい』と、国民に約束をしてきました。来年3月の大統領選も控えています。人々の我慢の限界も来ていますし、経済も疲弊しているので、高いワクチンの接種率を背景に、約束を守り、今月からフェーズを転換させました。ある程度、感染者が増えていくのは仕方ないと、政府も国民も考えています。9割の人がワクチンを接種していて、この緩和については支持して、賛成している状態です。 (Q.3回目のワクチン接種ですが、急に前倒しても韓国では対応が可能なのでしょうか) 韓国では国民総背番号制という住民番号があります。ワクチンの予約や接種履歴については、この住民番号を使って管理しているので、いま、ワクチン自体は国内にありますし、打ち手としては軍の動員もできるので、比較的、簡単に早めることができます。 日本は、3回目の接種間隔を“原則8カ月以上”。6カ月に短縮する場合は、自治体と国で相談が必要ということになっています。 厚生労働省の専門部会メンバーで、北区保健所の前田秀雄所長によりますと、「6カ月に前倒せば、重症化予防の効果が高くなるのは間違いない。(特別養護老人ホームの入所者など)重症化リスクが高い人たちに部分的に前倒すのは合理的。今の感染状況を鑑みると、8カ月で良いのでは。問題は、今後、感染者が増えた場合の対応だが、実務的に6カ月に前倒すのは難しい」といいます。 (C) CABLE NEWS NETWORK 2021
https://news.google.com/__i/rss/rd/articles/CBMiSmh0dHBzOi8vbmV3cy55YWhvby5jby5qcC9hcnRpY2xlcy8yZmJhZDcxNWNjZWZlNmY4YzlkZTc5MjRiNjAzOWQ3ZjBiODQyNjRk0gEA?oc=5
2021-11-18 16:03:10Z
1167800637
Tidak ada komentar:
Posting Komentar