【ニューヨーク=斉藤雄太】26日の米株式市場でダウ工業株30種平均は続落し、905ドル(2.5%)安の3万4899ドルで取引を終えた。下げ幅は今年最大で、一時は1000ドルを超える場面もあった。南アフリカで新型コロナウイルスの新たな変異型が見つかったことをきっかけに、アジアや欧州で株式相場が大幅に下落した流れが米国にも及んだ。景気回復が遅れるとの懸念から投資家はリスク回避姿勢を強めている。
26日は感謝祭の祝日開けで米株の取引時間も午後1時(日本時間27日午前3時)までだった。この日も休暇を取る市場参加者が多く、売買が限られるなかで「新変異型への懸念が強烈なリスクオフ(回避)を招いた」(ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルのチャーリー・マケリゴット氏)。
ダウ平均の終値は1カ月半ぶりに3万5000ドルを割り込んだ。下落率が8%超になったアメリカン・エキスプレスをはじめ、景気動向に敏感な金融株の下げが目立った。国境を越えた人の移動が再び制限されて航空需要が細るとの思惑から、航空機メーカーのボーイングは5%安になり、ユナイテッド航空やデルタ航空の株価も大きく下げた。ハイテク株の比重が大きいナスダック総合株価指数も2%以上下げ、ほぼ全面安の展開になった。
リスク回避の動きは様々な市場に波及した。原油価格の国際的な指標であるニューヨーク市場のWTI(ウエスト・テキサス・インターミディエート)先物は一時1バレル67ドル台まで急落し、下落率は14%に達した。新型コロナの感染再拡大が世界的な景気減速につながれば原油などの資源需要に響いてくる。
「安全資産」とされる米国債には買いが集まり、長期金利の指標になる10年物国債利回りは1.48%と0.15%以上下がる(価格は上がる)場面があった。日米金利差の縮小を受け、外国為替市場では急速な円高・ドル安が進み、円相場は一時1ドル=113円台前半をつけた。日本時間の26日朝は115円台だった。
同じく安全資産と目されている金先物が買われる一方、値動きの大きい暗号資産(仮想通貨)のビットコイン価格は急落するなど投資家の選別が進んだ。株価の予想変動率を示し、投資家心理を測る目安になる米VIX指数は28と5割強上がった。不安心理が高まった状態とされる20を大きく上回った。
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ダウ平均は週間で2%安になった。週初にはバイデン米大統領が米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長を再任する方針を表明し、金融政策の先行き不透明感の後退で米株は買われる場面もあった。足元では再びコロナの感染再拡大の懸念が強まり、景気や物価、政策の行方を見通しづらくなっている。
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2021-11-26 19:02:02Z
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