Senin, 22 Maret 2021

米中「大荒れ」会談、注目されなかった王毅外相の重要発言 - Newsweekjapan

<冒頭から非難合戦となった米中外交会談。楊共産党政治局員の反論がメディアを賑わせたが、中国の要求を最も端的に表現していたのは王の発言だった。自国の存在を絶対視する中国に、果たしてアメリカは勝てるのか>

バイデン政権下で初の米中対話が3月18 日、アラスカ州アンカレジで開かれた。

アメリカ側はブリンケン国務長官とサリバン国家安全保障担当大統領補佐官、中国側は楊潔篪(ヤン・チエチー)共産党政治局員(党中央外事弁公室主任)と王毅(ワン・イー)外相が出席。会談は報道陣に公開される冒頭の発言から、外交的火花を散らす展開となった。

アメリカ側が挨拶をした後、楊と王は長々と反論を展開。そこで記者は退出する予定だったが、ブリンケンとサリバンはアメリカ側の反応を聞くまで残るよう促した。

その後、報道陣は部屋を出たが、今度は中国側が記者を呼び戻して最後の発言を要求した。

ブリンケンの冒頭発言は、ここ数年のアメリカの対中姿勢に沿ったものだった。「新疆ウイグル自治区、香港、台湾、アメリカへのサイバー攻撃、同盟国への経済的威圧など、中国の行動に強い懸念を抱いている」

内政問題に介入するなという中国の定番の反論にも先手を打った。「こうした行動はいずれも、世界の安定を支える『ルールに基づく秩序』を脅かすものだ。従って単なる内政問題ではなく、今日ここで問題提起する義務があると考える」

だが、中国側の反応は驚くべきものだった。ある記者によれば、楊は20分近くにわたり、アメリカに中国を批判する資格はないと主張し続けた。

楊は、アメリカがインド太平洋戦略で重視する「ルールに基づく秩序」の概念そのものを否定した。「中国と国際社会が支持しているのは、国連を中心とした国際システムと国際法に支えられた国際秩序であり、少数の国が提唱する『ルールに基づく』国際秩序なるものではない」

楊の反論ほど注目されなかったが、中国の要求を最も端的に表現していたのは王の発言だった。「アメリカ側に対し、中国の内政に干渉するという覇権主義的慣行を完全に放棄するよう求める。これは長年の問題であり、変えるべきものだ」

中国側の要求の柱は米中関係を「新常態( ニューノーマル)」に変えること。アメリカのこうした直接的批判はもう受け入れられないという意味だ。

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