ジョー・バイデン米大統領は25日(日本時間26日)、歴代大統領では最も遅い就任65日目で、初めての公式記者会見を開いた。習近平国家主席率いる中国が軍事的覇権拡大に突き進むなか、今後の世界情勢を「民主主義勢力と専制主義勢力の戦い」といい、「(中国が最強の国になる)事態は起こらない」と語った。北朝鮮が発射した弾道ミサイルについては「国連安全保障理事会決議に違反する」と断言した。就任以前から「親中」懸念が伝えられていただけに一定の評価はできそうだが、以前から付きまとっていた“高齢不安”も露呈した。 ◇ ホワイトハウスで開かれたバイデン氏の公式記者会見。後ろには星条旗が掲げられていた。 バイデン氏は、世界各国がコロナ禍に苦しむなか、経済的・軍事的覇権拡大を進める共産党政権の中国について、「中国は、世界を率いる最も裕福で最強の国になるのが目標だ」と指摘したうえで、「私が(大統領として)にらみを利かせている間は、そんな事態は起きない。米国は成長し拡大し続ける」と語り、国際社会における米国の主導的立場は譲らない考えを打ち出した。 また、2月11日の米中電話首脳会談で、「米国は自由や人権をめぐる価値を重視しており、中国による人権蹂躙(じゅうりん)には容赦なく声を上げ続ける」「険しい競争関係になるだろう」と習氏に伝えたことを明らかにし、香港や新疆ウイグル自治区での人権弾圧に対峙(たいじ)する姿勢を強調した。 さらに、世界の現状は「21世紀における『民主主義勢力』と『専制主義勢力』の戦いだ」という認識を明らかにし、「民主制度が機能するということを実証しなくてはならない」と訴えた。 インド太平洋地域における中国の暴走に対しては、日本と米国、オーストラリア、インドによる戦略的枠組み「QUAD(クアッド)」に加え、英国やEU(欧州連合)などが牽制(けんせい)・阻止する構えを見せている。 バイデン氏は会見で、近く民主体制の同盟諸国の代表を米国に招いて会合を開き、結束の確認を図る「民主主義サミット」を実現させたい考えを示した。 菅義偉首相は4月前半、訪米してバイデン氏と対面による日米首脳会談を行う予定。この会談では、「自由で開かれたインド太平洋」の実現に向け、米国の対日防衛義務を定めた日米安全保障条約5条の沖縄県・尖閣諸島への適用を共同文書に明記する方向。 金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記率いる北朝鮮の動きも要警戒だ。25日には弾道ミサイル2発を日本海に向けて発射した。約1年ぶりとなる挑発で、バイデン政権下では初となった。 バイデン氏は「北朝鮮が事態をエスカレートさせる道を選ぶのであれば、適切な対応をとる」と警告した。外交対話を行う準備があると表明したが、「非核化を最終目標にするとの条件設定が必須だ」と述べた。 中国に融和的姿勢を取り続けたバラク・オバマ政権で、8年も副大統領を務めたバイデン氏は、次男の「中国疑惑」もあって、「親中」「弱腰」懸念が拭えなかった。 今回の会見では、一定の「対中強硬姿勢」は示したが、もう一つの「高齢」懸念は露呈した。 中国に対して、法の支配に従うよう同盟国・友好国と連携して対応すると強調した際、本来「東シナ海」とすべきところを「北シナ海」と言い間違えたのだ。78歳と「史上最高齢の米大統領」でありながら、2024年の次期大統領選への再出馬にも意欲を示した。 注目の会見を、どう分析するか。 米国情勢に詳しい福井県立大学の島田洋一教授は「中国を『競争相手(関係)』と表現したあたりが、先日の米中外交高官会談でアントニー・ブリンケン国務長官が見せた強い態度とは大きな差がある。具体的な政策論が明確にされなかった点も気になる。また、北朝鮮問題に関しても終始メモに目を落としており、無難に終わらせた印象だ。高齢であることは集中力や決断力に不安が残る」と指摘した。 別の識者の見方も厳しい。 拓殖大学海外事情研究所所長の川上高司氏は「従来の発言をまとめた会見という印象だ。中国に限っては、半導体をはじめとした経済安全保障に注力するのだろう。北朝鮮問題も、ドナルド・トランプ前政権とは180度政策が変わり、オバマ政権に逆戻りの懸念がある。そもそも、任期4年を全うできるか不安を感じる。コロナ禍を理由に行わない外遊に関しても、体力的な問題がある可能性もある」と述べた。
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2021-03-26 09:42:30Z
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