【ロンドン=中島裕介】ウクライナ軍の反撃とロシア軍の後退が続いている。ウクライナ東部のルガンスク州のガイダイ知事は13日、ロシア軍が同州のクレミンナ市から撤退したと通信アプリに投稿した。同市はロシア軍がウクライナ東部に攻撃を集中させた後の4月中旬に制圧した。ロシア軍はさらに攻勢を進め、7月にルガンスク州全域の制圧を宣言していた。
ガイダイ知事は通信アプリへの投稿で「13日の時点でクレミンナ市は空っぽだ。ロシア軍が同市を放棄した。現在、そこにはウクライナ国旗が掲げられている」と表明した。同市の隣のドネツク州リマンでの攻防が、ルガンスク州での反転攻勢のカギになるとの見解を示した。
ウクライナメディアによると、マリャル国防次官は13日、東部ハリコフ州で6日以降、3800平方キロメートルの領土を奪還したと語った。15万人の市民を解放したとしている。ハリコフ州の完全な解放までウクライナ軍の攻勢が続くとの見解も示した。
米シンクタンクの戦争研究所は11日にウクライナ軍がハリコフ州のロシア軍制圧地域のほぼ全域を奪還したとの分析を発表していた。ロイター通信によると西側当局者は13日、ウクライナ軍のここ数日の反撃について「戦争の転換点かどうかを判断するのは時期尚早だが、戦術面と心理面の双方で大きな力となる瞬間だ」と語った。
ウクライナのゼレンスキー大統領は13日夜(日本時間14日未明)の声明で、ウクライナ軍が奪還したロシアの占領下にあった領土の詳細な分析を踏まえて「4000平方キロメートルを超える地域を安全に支配し、ほぼ同じ面積の領土で完全に安全な支配を目指す活動が続いている」と語った。ゼレンスキー氏は12日の声明で6000平方キロメートル以上を奪還したと語っていた。ロイター通信によると、ウクライナ当局者は領土の奪還と完全な安全の確保を区別することが重要だとしている。
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2022-09-13 18:28:34Z
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