Selasa, 27 September 2022

ゼレンスキー氏、ロシアは「全人類敵に」 国連安保理会合(写真=AP) - 日本経済新聞

【ニューヨーク=白岩ひおな】国連安全保障理事会は27日、ウクライナの親ロシア派支配地域での「住民投票」を受けた緊急会合を開いた。オンラインで出席したウクライナのゼレンスキー大統領は「ウクライナの領土を併合しようとするロシアの動きは全人類を敵に回すものだ」と語り、ロシアの常任理事国資格の剝奪や制裁強化を求めた。米国などが提出し、ロシアを非難する決議案を近く採決する。

会合はウクライナ東・南部4州で実施されたロシア編入を問う「住民投票」を受け、ウクライナの要請で開いた。ゼレンスキー氏は、親ロシア派支配地域のロシアへの編入は2014年のクリミア併合と「同様の筋書きを実行するもの」だと指摘した上で、「国連憲章に対する最も残忍な違反であり、国際法の規範を抹消しようとする試みだ」と批判した。

「ウクライナ人をロシア軍に強制動員し、祖国と戦わせようとしている」とも述べた。クリミアでも同様の同士打ちを強いたとして「このような虐殺政策をとる国家は、拒否権を持つ常任理事国であり続けることはできない」と資格の剝奪や停止を訴えた。新たな制裁でロシアを完全に孤立させるよう呼びかけた。

トーマスグリーンフィールド米国連大使はアルバニアと共同で「住民投票」をめぐりロシアを非難する決議案を安保理に提出し、今週後半から来週はじめにも採決する見通しを明らかにした。ウクライナのいかなる領土変更も認めず、ロシア軍に直ちにウクライナから撤収するよう義務づける内容だ。ロシアの拒否権行使が予想されるため、否決された場合は国連総会に持ち込む考えも示した。

トーマスグリーンフィールド氏は「偽りの住民投票を受け入れてしまえば、われわれは閉じることのできないパンドラの箱を開けることになる」と述べ、各国に決議案への支持を呼びかけた。アルバニアのホッジャ大使は「銃口を向けられた住民の投票結果をまともに受け止める人は世界にいないだろう」と一蹴した。

各地域の親ロ派組織は27日の「住民投票」終了後に即日開票した。ロシアメディアによると、同日夜時点で9割前後がロシアによる併合に賛成した。プーチン大統領は親ロ派勢力の要請でロシアへの各地域編入を宣言する見通しだ。ロシアのネベンジャ国連大使は、投票は規範を守り透明性のあるものだと主張。「ウクライナが自らの戦略的誤りを認識しなければ、このプロセスは続くだろう」とも語った。

国連のディカルロ事務次長は「武力紛争の最中に、ロシアの支配下でウクライナの法や憲法の枠組みの外で実施され、民意の真の表現とは言い難い」と指摘した。「 ある国が他国を武力で獲得しようとする行為に正当性の皮を被せることを目的とした一方的な行動」だとして「国際法上、合法とはみなされない」と明言した。

中国の張軍大使は「すべての国の主権と領土の保全は尊重されるべきだ」と述べた一方で「(ロシアの)政治的孤立や制裁と圧力は、行き止まりにつながるだけだ」とも主張した。インドの代表は「国際秩序は国際法、国連憲章、国家の主権と領土保全の尊重に基づくべきだと固く信じる」と述べ、対話と外交による解決を求めた。

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2022-09-27 22:32:30Z
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