ブリンケン米国務長官とロシアのラブロフ外相は2日、スウェーデンのストックホルムで会談した。露軍がウクライナ国境付近に部隊を展開して米欧とロシアの緊張が高まる中、ブリンケン氏は「対決を決意するなら深刻な結果を招く」とラブロフ氏に伝え、ウクライナに侵攻すればロシアは制裁を受けると警告、部隊の引き揚げを要求した。ロイター通信が米政権高官の話として伝えた。
両氏の会談は、ストックホルムで同日開かれた欧州安保協力機構(OSCE)外相会合への出席に合わせて行われた。ロイターによれば、ブリンケン氏は、ウクライナ問題をめぐりロシアと衝突する事態は回避したいと伝えた。会談は実務的で、緊張緩和に向けた具体的な打開策には至らなかった。両氏はウクライナ問題で対話を継続することでは合意したとしている。
タス通信によると、ラブロフ氏は紛争に関心がないとして露側の侵攻の意図を否定した。一方、ウクライナが北大西洋条約機構(NATO)への加盟を模索していることを念頭に、「NATOのさらなる東方拡大はロシアの根本的利益に抵触する」と牽制した。
会談ではバイデン米大統領とプーチン露大統領との首脳会談に向けた調整も進められた可能性がある。
ウクライナは11月初旬、同国国境に近い露西部スモレンスク州に9万人規模の露軍部隊が集結していると発表。米欧はロシアがウクライナ侵攻に踏み切る恐れに警戒を強めている。
NATOは米露外相会談に先立ち、1日までの2日間、ラトビアの首都リガで外相理事会を開き、ロシアがウクライナに侵攻すれば「高い代償を払うことになる」との認識で一致。その場合、ロシアに経済制裁を科すと警告した。(ワシントン 渡辺浩生、モスクワ 小野田雄一、ロンドン 板東和正)
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2021-12-02 14:27:39Z
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