Rabu, 29 Desember 2021

香港民主派メディアが廃刊 警察、幹部ら7人逮捕 弾圧強まる(写真=AP) - 日本経済新聞

【香港=木原雄士】香港警察の国家安全部門は29日、民主派ネットメディア「立場新聞」の幹部ら7人を扇動出版物発行の共謀容疑で逮捕した。立場新聞は同日、即時廃刊すると発表した。中国の習近平(シー・ジンピン)指導部の意向を受けた香港当局による民主派弾圧が強まっている。

警察は29日朝から香港国家安全維持法(国安法)に基づき、200人以上で立場新聞の編集部を含むオフィスを捜索した。多数のパソコンや取材資料を押収し、6100万香港ドル(約9億円)の資産を凍結した。

李桂華・高級警司は「2020年7月から21年11月の間、中国・香港政府への憎悪をかき立て、暴力を扇動する狙いで複数の記事を発行し続けた疑いがある」と説明した。逮捕されたのは34~73歳の男女7人。香港メディアによると、編集責任者の林紹桐氏や前編集長、発行元取締役を務めていた著名歌手の何韻詩(デニス・ホー)氏が含まれる。

立場新聞は捜索を受けて「即時に運営を停止し、記事を削除する」との声明を発表した。編集責任者の林氏が辞任し、従業員も全員解雇した。「民主主義や人権、自由などを守る編集方針を貫いてきた。いつも応援してくれた読者に感謝する」と述べた。

立場新聞は民主派支持の論調で知られるネットメディアで、19年の大規模デモをめぐる報道で注目を集めた。香港紙・蘋果日報(アップル・デイリー)の廃刊後、ほぼ唯一の民主派メディアとみられていた。当局の摘発を受け、運営を続けるのは難しいと判断した。

警察は立場新聞の報道が英植民地時代に導入した刑事罪行条例に違反する疑いがあると指摘した。具体的にはデモに関する判決の記事や外国に亡命した活動家の寄稿記事などを問題視した。

香港は「一国二制度」のもと、中国本土にはない「報道の自由」が認められてきたが、20年の国安法施行によってメディアを取り巻く環境が一変した。

21年3月、当局への批判も辞さない姿勢で知られた公共放送・香港電台(RTHK)のトップに報道経験がない公務員が就き、4月には警察批判の番組を手掛けたプロデューサーに有罪判決が下った。蘋果日報の幹部が次々と逮捕され、同紙は6月に廃刊に追い込まれた。

香港の司法当局は28日、蘋果日報を創業した黎智英(ジミー・ライ)氏らを扇動出版物発行の共謀罪で追起訴した。民主派寄りの報道そのものを問題視する姿勢を強めている。香港記者協会は29日「警察はこの1年、メディア幹部の逮捕や取材資料の押収を繰り返しており、深く懸念する」との声明を発表した。

欧米メディアへの風当たりも強まっている。香港政府は11月に英誌エコノミスト記者の就労ビザの更新を拒否。立法会(議会)選挙の記事をめぐり、政府高官が米ブルームバーグ通信や米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に抗議の書簡を送った。

習指導部は親中派が圧勝した19日の立法会選を終え、香港統制に自信を深めている。選挙結果は定数90のうち親中派が89議席を獲得した。欧米からは民主派を排除する選挙制度に批判が集中したものの、習氏は「選挙は成功裏に実施された」と正当化した。

中国当局は候補者の事前選別を前提に、香港で有権者が1人1票を投じる「普通選挙」の導入目標は変えていないと主張し、欧米型の民主主義に対抗する姿勢を示す。

香港では21年、民主派の逮捕や収監が相次ぎ、主要な民主派団体は解散に追い込まれた。立法会選を控え、民主派への弾圧は小休止していたものの、選挙が終わるとかろうじて残っていた民主派メディアの摘発に乗り出した。

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2021-12-29 09:55:27Z
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