【台北=中村裕】台湾の国防部(国防省)は4日、中国の戦闘機など52機が防空識別圏(ADIZ)に侵入したと発表した。過去最多で、最近4日間で計145機が侵入したことになる。過去にない規模で、中国は威嚇行為を強め始めた。米国は3日、中国に対し、台湾に対する挑発的行動の抑制を求めたが、中国側は聞き入れなかった。
国防部の発表によると、4日(日本時間午後9時現在まで)に侵入した中国軍機は、戦闘機「殲16」、同「スホイ30」など計52機。4日の深夜にかけて、さらに侵入する軍機が増える可能性もある。
中国軍機は10月に入って特に活発な動きをみせ始めた。1日には38機、2日は39機、3日も16機がそれぞれ、台湾の南西空域を中心としたADIZに侵入し、威嚇行為を続けた。
米国務省のプライス報道官は3日、事態を重く見て「中国による台湾周辺での挑発的な軍事活動を非常に懸念している」との声明を発表した。「台湾への軍事的、外交的、経済的な圧力や威圧をやめるよう強く求める」とも述べたが、中国は聞き入れなかった格好だ。
中国は、台湾への連日の軍事的圧力について、狙いを明らかにしていない。ただ、中国は現在、10月1日から、建国72年を祝う国慶節の大型連休中にある。祖国統一を目指すなか、国威発揚や、抵抗する台湾に軍事力を誇示する狙いがあるとみられる。
中国軍機による台湾のADIZへの侵入は、昨年後半から常態化した。ただ今夏以降はその数が大きく減り、1日に10機以上の大量の軍機が侵入することもまれだった。
台湾国防部のシンクタンクである国防安全研究院の蘇紫雲所長は、中国側の狙いについて、「(9月後半からの)台湾の環太平洋経済連携協定(TPP)加盟に向けた動きや、最近の米英豪の連携による対中警戒が、背景にある」と指摘する。
さらに、単に台湾や国際社会への反発姿勢を示すだけではなく「(台湾統一を実際に想定して)大量の中国軍機が台湾周辺で動きを確認し、電子戦も含め、昼夜を問わず、より実践的な軍事演習を行うためだ」と指摘した。
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2021-10-04 12:25:59Z
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