[30日 ロイター] - 米疾病対策センター(CDC)は、新型コロナウイルスの変異株「デルタ」には水ぼうそう並みの感染力があり、ワクチン接種を完了している人にも感染する可能性があるほか、従来のコロナウイルスよりも重症化する恐れがあるという内部文書を公表した。
CDCは「戦いに変化が起きたことを認めるべき」とし、急速に拡大するデルタ株を巡るリスクを周知させるために新たな対応が必要と強調した。
ワクチンを接種していない人が感染する確率は3倍高く、重症化もしくは死亡するリスクは10倍以上高いという。
CDCは感染拡大抑制に向け、脆弱な人々を守るために医療従事者へのワクチン接種を義務化し、全て人に常時マスク着用を義務付ける対応を提言した。
CDCは27日、マスク着用の指針を変更し、ワクチン接種を済ませた人もマスク着用を再開すべきだと表明。指針の変更は今回の内部文書に基づくものだったという。
報告書によると、デルタ株は、中東呼吸器症候群(MERS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、エボラ、風邪、季節性インフルエンザ、天然痘を引き起こすウイルスよりも、感染力が高いという。
また、ワクチン接種を済ませている人が感染する公算は小さいものの、一度感染すると、ワクチン未接種の人と同様に他の人にウイルスをうつす可能性があるという。
世界保健機関(WHO)は30日、デルタ株の感染拡大によって、コロナとの戦いで得られたこれまでの成果が失われつつあると警告。しかし、WHOで緊急事態対応部門を統括するマイケル・ライアン氏は「ワクチンには重症化や入院の予防で大きな効果がある」と強調した。
また、米国立アレルギー感染症研究所のファウチ所長は30日、食品医薬品局(FDA)が早ければ8月半ばまでに新型コロナワクチンを正式承認することを期待していると述べた。これまでに米ファイザー・独ビオンテック、米モデルナが正式承認に向けた申請を行っている。
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2021-07-30 17:36:00Z
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