【シリコンバレー=佐藤浩実】バイデン政権のファウチ首席医療顧問は25日に米CNNの番組で、ワクチン接種の遅れる地域で新型コロナウイルス感染が再拡大していることについて「間違った方向に向かっている」と警鐘を鳴らした。接種者に対するマスク着用指針の見直しについても「積極的に検討している」と明らかにした。
米国はワクチンの供給で世界に先行したが、地域による接種率のばらつきが大きく住民の半数はまだ接種を完了していない。ワクチンの接種率が相対的に低い中西部や南部では新規感染者が再び増えており、状況が改善しなければ冬季に最大で1日4000人が死亡するとの予測もある。ファウチ氏は「最悪のシナリオになるかはわからないが良い状況にはならない」と指摘した。
米疾病対策センター(CDC)が5月に緩和したワクチン接種者に対するマスク着用指針についても「積極的に(見直しを)検討している」と話した。西部カリフォルニア州のロサンゼルス郡などはワクチンを接種した人も含め、屋内でのマスク着用を再び義務化した。ファウチ氏はこうした地域の動きについて「地域には裁量があり、CDCの勧告と矛盾するものではない」と述べた。
米食品医薬品局(FDA)元長官のスコット・ゴットリーブ氏も同日のCBSの番組で、ワクチンを接種した人がマスクを着用することは「まだ役に立つ」と指摘した。ウイルスの感染力は高く「ワクチンを接種していても、自分があらゆる感染と無縁だと思わないほうがいい」と話した。
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2021-07-25 22:01:53Z
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