韓国大統領選、文政権と対立の前検事総長が最大野党入り…高い支持率で最有力候補に - 読売新聞

　【ソウル＝建石剛】来年３月の韓国大統領選への出馬を表明している 尹錫悦（ユンソクヨル） ・前検事総長（６０）が３０日、保守の最大野党「国民の力」に入党した。左派の 文在寅（ムンジェイン） 政権と激しく対立した尹氏は次期大統領候補として高い支持率を維持しており、党の最有力候補となりそうだ。

　尹氏は３０日、党本部で「党員として政権交代を熱望する人々の声援と支持を受けることができる」と述べ、大統領選へ改めて意欲を示した。尹氏は６月に出馬を表明しながら、入党の意思や時期は明言しておらず、無所属で活動していた。

　尹氏は検察トップとして文政権の不正捜査を強行した「反政権の象徴」で、政権に批判的な保守層から熱烈な支持を受ける。一方で尹氏はこれまで、無所属の立場で左派系の有識者とも意見交換していた。入党を先延ばしし、大統領選の勝利に不可欠な中道層の支持を広げる狙いだった。

　この時点で入党に踏み切ったのは、尹氏と同様に政権と対立して政界進出し、早期に入党した 崔在亨（チェジェヒョン） ・前監査院長（６４）を意識したためとみられる。

　崔氏の支持率は上昇傾向にある。尹氏は検事時代、保守の大統領経験者である 朴槿恵（パククネ） 、 李明博（イミョンバク） 両氏の捜査に関わった経歴から、党の一部では反感が根強い。尹氏は入党について曖昧にしたままで活動を続ければ、党内支持を失うと考えたようだ。

　尹氏は入党理由について「第１野党に入党し、正々堂々と党内候補者争いから始めることが道理だ」と述べた。今後は、１１月までに選出される党公認候補の予備選に向けた党内の支持固めが課題となる。党内では 洪準杓（ホンジュンピョ） ・国会議員（６６）ら１０人以上が出馬を表明している。２９日発表の世論調査では、尹氏が２７・５％で、崔氏は５・５％だった。

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2021-07-30 20:00:00Z
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