【モスクワ=共同】ロシア北部の海軍実験場で8日に爆発が起き、周辺で一時放射線量が上昇した事故で、ロシア国営原子力企業ロスアトムは10日、同社職員5人が死亡したと明らかにした。ロスアトムの関与が判明したことで、原子力関連の事故である可能性が出てきた。米専門家は、ロシアが開発中の原子力巡航ミサイルの実験中だったという見方を示している。
実験場は北部アルハンゲリスク州の集落ニョノクサ近く。国防省は8日、ジェットエンジンが爆発し6人が死傷したと発表していた。
しかしロスアトムは10日「同位元素を使用した燃料エンジン装置の実験中」の事故だと発表。事故が核燃料と関連している可能性を公式に認めたと受け止められている。
近隣のセベロドビンスク市は8日に一時的な放射線量の上昇が記録されたと発表したが、国防省、ロスアトムはともにこの点には触れていない。
独立系ニュースサイト「メドゥーザ」によると、爆発により数人が被ばくしモスクワに搬送されたとの情報がある。近くの海域で1カ月間船舶の航行が禁止されたという。
米国の核問題専門家ジェフリー・ルイス氏はツイッターで、衛星写真の分析から爆発事故当時、近くの海域に放射性物質を運搬する特殊船舶が存在していたと指摘。発射装置の形態などから、ロシア軍が超長射程の原子力巡航ミサイル「ブレベスニク」の実験を行っていたとの見方を示した。
ブレベスニクは、米国のミサイル防衛網を突破する目的でロシアが開発、配備を急ぐ新型兵器の一つ。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO48482810R10C19A8FF8000/
2019-08-11 12:02:00Z
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