【ソウル=桜井紀雄】日本政府が28日に安全保障上の輸出管理で優遇措置を取る「ホワイト国」から韓国を除外する政令を施行するのを前に、韓国の李洛淵(イ・ナギョン)首相が連日、日本が措置を撤回すれば、日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄決定を見直せると発言している。
輸出管理をめぐる対話に日本を引き出す狙いとみられるが、日本側は輸出管理と協定を結び付けたことに不快感を示す。文在寅(ムン・ジェイン)政権の高官からはGSOMIAの価値を否定する発言が相次いでおり、今後、日韓の対話が始まったとしても、韓国側が日米韓の安保協力に取り返しのつかない傷を付けた事実は消せない。
李氏は27日、政府・与党の会議で、GSOMIAが終了するまで約3カ月あるとしながら「この期間に打開策を見つけ、日本が不当な措置を原状回復すれば、協定終了を再検討できる」と述べた。「日本政府が事態をこれ以上悪化させないと信じる」とも強調した。26日にも国会で同様の発言をしており、政権切っての知日派として日韓の安保協力の決裂を押しとどめようとする思いがにじむ。
一方、鄭景斗(チョン・ギョンドゥ)国防相は26日に国会で、日米韓安保協力でGSOMIAが持つ象徴性に触れつつも「軍事情報を交換する面で、それほど効用価値が高くない」と述べた。韓国メディアによると、大統領府高官も、文政権になって「日本から提供された情報を活用して北朝鮮のミサイルを分析したことは1回もない。日本の情報は質が高くなかった」と指摘した。国民向けに破棄決定を正当化する意図とみられるが、日米がどう見るかを度外視している。
韓国外務省報道官は27日、安倍晋三首相が韓国に「約束を守るよう」求めたことについて「そんな主張は決して受け入れられない」と反発を示した。
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https://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20190827-00000578-san-kr
2019-08-27 10:00:00Z
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