Kamis, 25 Mei 2023

アングル:ウ軍反転前に防衛線かく乱か、ロシアへの越境攻撃 - ロイター (Reuters Japan)

[トロント/キーウ 24日 ロイター] - ウクライナ領からロシア西部ベルゴロド州に武装集団が侵入する事態が起きたことで、ロシアはウクライナが大規模な反転攻勢準備を進めている最中に前線から部隊を移動させざるを得なくなったと、軍事アナリストらは解説する。

ウクライナ側は武装集団による攻撃への関与を一切否定している。しかしロシアのウクライナ侵攻以来で最大の越境攻撃が、ウクライナ軍と連携しているのはほぼ間違いないと専門家らはみている。

英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)のアナリスト、ニール・メルビン氏は「ウクライナ側はロシアを別方向におびき寄せてすき間を作ろうとしている。ロシア側は増援部隊を送らざるを得なくなっている」と指摘する。

今回侵入した場所は、ウクライナ東部ドンバスの戦闘中心地から遠く離れており、北部ハルキウの前線から約160キロに位置する。

「(ロシア軍は)これに対応して部隊をその場所に送るとともに、国境地帯全域に多くの部隊を張り巡らせる必要が生じる。ウクライナ側がそこから侵入しないかもしれないにもかかわらずだ」とメルビン氏は語る。

ロシア軍は23日、ベルゴロド州を攻撃した武装集団を22日に装甲車で撃退したと主張。「ウクライナ人の国家主義者」70人以上を殺害し、残りの集団をウクライナ側に押し戻したと説明した。

ウクライナ政府は、攻撃はロシア国民が行ったもので、内部闘争だとしている。ウクライナで活動している「ロシア義勇軍団(RVC)」と「自由ロシア軍」は攻撃を認める声明を出した。

こうした集団は、ロシアによるウクライナ侵攻に伴って生まれた。ウクライナ側と共闘して自国軍と戦い、プーチン大統領の打倒を目指すロシアの志願兵を募っている。

ロンドンのコンサルティング会社、マヤク・インテリジェンスのマーク・ガレオッティ代表によると、この2つの集団は、リベラル派から無政府主義者、ネオナチに至るまで、プーチン政権に反対するロシア人で構成されている。

5月24日、ウクライナ領からロシア西部ベルゴロド州に武装集団が侵入する事態が起きたことで、ロシアはウクライナが大規模な反転攻勢準備を進めている最中に前線から部隊を移動させざるを得なくなったと、軍事アナリストらは解説する。写真は、武装集団の侵入を受けたとされるベルゴロド州の集落。同州知事が23日にテレグラムで公開(2023年 ロイター)

「彼らは微力ながらプーチン体制の打倒に貢献したいと願っている。だが同時に理解しておくべきなのは、彼らが独立部隊ではないことだ。(中略)ウクライナ軍の諜報機関に管理されている」とガレオッティ氏は指摘する。

ウクライナのポドリャク大統領府長官顧問は、同国はこの攻撃と無関係であるとの立場を再確認した。

米国は、ウクライナによるロシア領土への攻撃を「可能にしたり奨励したり」していないと説明。ただ、どのように軍事行動を展開するかはウクライナ政府が決めることだとしている。

ロシア領土への侵入はここ数カ月で何度か起きているが、今回は最大規模だった。とはいえ前線の戦闘に比べると微々たる規模だ。

<2014年の意趣返し>

自由ロシア軍の政治組織の報道官、アレクセイ・バラノフスキー氏はキーウ(キエフ)でロイターに対し、攻撃に加わった部隊の数は開示できないとした上で、4つの大隊を抱えていると明かした。大勢の死者が出たとするロシア側の報告は偽情報だと切り捨てた。

バラノフスキー氏は、自由ロシア軍はウクライナの外国人部隊の一部であり、従って同国軍の一部だと述べた。ただ、今回の侵入についてウクライナ当局との調整があったことは否定した。

「武力を通じてプーチン体制を打倒するという主要目的に向けた第一歩だ。他に方法はない」と語った。

マヤク・インテリジェンスのガレオッティ氏は侵入について、ウクライナが計画する反転攻勢を前に、同国が戦場を「形成する」作戦のように見えると指摘する。

「2つのことを行う良いチャンスだ。1つはロシア側を揺さぶり、自国民による蜂起の可能性を恐れさせること。第2に、ロシア部隊を散り散りばらばらにすることだ」と同氏は言う。

RUSIのアナリストのメルビン氏は、越境攻撃はウクライナ側の士気を高めることにも寄与したと解説する。

ウクライナ当局の説明は、2014年にクリミア半島を併合したときのロシアの説明とよく似ている。ロシアは当初、侵攻したのがロシア人の部隊であることを否定していた。

ポドリャク大統領府長官顧問はベルゴロド州への侵入について、ロシア国民から成る「地下のゲリラ集団」によるものだと主張。「知っての通り、戦車などロシアのどこの武器店でも売っている」と続けた。

これは2014年、クリミア半島に記章のないロシア軍のユニフォームを着た男性らがいることについて問われたプーチン大統領が、「店に行けばどんなユニフォームでも手に入る」と答えたのをなぞった発言のようだ。

ソーシャルメディアでは、ウクライナ人が「ベルゴロド人民共和国」を語る投稿が出回っている。これは2014年、ウクライナ東部のドネツク、ルハンスク両州でロシアの支援を受けた民兵らが「人民共和国」を宣言したことへの意趣返しだ。

ウクライナではまた、昨年2月のロシア侵攻直後にゼレンスキー大統領がキーウから「私はここにいる」と語った有名な演説動画も拡散されている。ただし動画の背景にあるのは大統領府ではなく、ベルゴロド州へ「ようこそ」というサインだ。

(Tom Balmforth記者、 Anna Dabrowska記者)

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2023-05-25 02:59:00Z
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